“もっと日常にARを”――普及に本腰のau、サービス開発を支援:簡単なサービスなら1日で(1/2 ページ)

» 2011年12月15日 23時23分 公開
[後藤祥子,ITmedia]
Photo 66%が“知らない”というAR。KDDIが普及を目指して「SATCH」を立ち上げる

 商品にケータイカメラをかざすと、キャラクターが飛び出して商品説明をしたり、口コミが表示されたり。体にカメラを向ければ、服やメガネの試着も自由自在――。AR(Augmented Reality:拡張現実感)は、こんな世界を実現するIT技術だ。

 日本では、カメラをかざすと周辺情報が現実の風景の上に浮かび上がる「セカイカメラ」の登場を契機に注目が高まり、観光やマーケティングに利用されるケースも増えている。しかし、認知度や利用率はまだ低く、まだビジネスとして起動に乗っているキラーサービスが生まれていない。

 こうした状況を変えようとしているのがKDDIだ。同社は12月15日、オープンな開発環境を提供するARプラットフォーム「SATCH」を立ち上げ、ARサービスの普及に本腰を入れることを明らかにした。

 KDDIの新規事業統括本部で新規ビジネス推進本部長を務める雨宮俊武氏によるとARの認知度はまだ低く、電通が7月に行った調査では66%が「知らない」と回答したという。より広くARサービスを知ってもらうためには「生活の中に、自然にARが入ってくるようなサービス」(雨宮氏)が必要であると指摘。サービスのアイデアを容易に形にできるよう意識した無料の開発環境「SATCH SDK」と、SDKで開発された全てのARサービスを利用できる統合ビューワ「SATSH VIEWER」(2012年3月にリリース予定)を提供することで、普及を加速させる考えだ。

Photo 「SATCH」のロゴとサービスイメージ。SATCHは“情報を察知する”“サッとかざしてチェックする”という行動に由来するという

Photo SATCH SDKとSATCH VIEWERの特徴

Photo 仏Total Immersionの技術を利用したサービスの一例。ゲームの内容をARで表現することも(画面=左)。サングラスの試着サービスも提供できる(画面=右)

ARサービスの開発、短期間で容易に――無料のSATCH SDKで

Photo 仏Total Immersionのブルーノ・ウザン氏とKDDIの雨宮氏

 SATCH SDKはARサービスの開発環境で、9月に提携を発表した仏Total Immersionの画像認識技術がベースになっている。同社の画像認識技術は、物体を認識させるためのマーカーが必要がなく、“物体そのもの”をマーカーに設定できる。顔やお菓子のパッケージ、ポスターや看板など、すでにあるものをARコンテンツを起動させるためのトリガーとして使えるので、手間がかからず商品のイメージを損なうこともない。また、顔や体のラインを認識させることで、動きに追従する試着サービスを提供できるのも面白い。

 KDDIは、Android端末やiOS端末向けのARサービスを開発できるSATCH SDKを無料で提供。開発したアプリは、au oneマーケットに登録することが条件で、それさえクリアすればあとはアップルのApp StoreやAndroidマーケットなどで自由に公開できる。普及を第1に考えて“auユーザーのみの囲い込み”といったことはせず、広く使ってもらうことを目指すという。

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