「スマホに乗り換えて良かった」と言わせるために――3キャリアの戦略・夏の陣:神尾寿の時事日想(3/5 ページ)

» 2012年06月13日 08時00分 公開
[神尾寿,Business Media 誠]

「なんとなくスマートフォン」な人の特徴

 一方、2012年の春商戦や夏商戦で増えているのが、スマートフォンの利用に明確な目的やニーズを持たないまま、ケータイから買い換えるユーザーである。いわば、「なんとなくスマートフォン」な層だが、彼らには特徴があると、キャリアショップを運営する販売会社の幹部は話す。

 「1つには端末の指名買いをしないことですね。『売れ筋はどれ?』とか『お薦めはどの機種?』という具合に、スマートフォン選びを店員に委ねる。それで後から、我々(ショップスタッフ)が勧めたスマートフォンが使いにくい、使いこなせないとクレームをいれてくるお客様も少なくないのですが……。

 あと、スマートフォンを購入されたあとで『どう使えばいいのか』とお問い合わせをいただくことも増えています。これは操作方法が分からないのではなく、『(スマートフォンを)どのような目的で使えばいいのか』を尋ねてくるのです。我々としては定番のアプリなどをご紹介するのですが、ここでお客様が納得できる案内ができないと、『スマートフォンにしたら(月々の通信)料金が上がっただけ。ケータイのままでよかった』とお叱りを受けてしまう」(販売会社幹部)

 このようにスマートフォン市場が一般化する中で、これまでのように「スマートフォンの用途・楽しさはユーザー自身が見つけるもの」というDIY (Do It Yourself)の発想は通用しなくなっている。キャリアやメーカーが、初心者でも使いやすいスマートフォンを作るだけでは足りないのだ。多くの一般ユーザーが、"ケータイから乗り換えてよかった"と実感できるアプリ/コンテンツや、サービスの「利用環境」がなければならない。

重要性を増す「キャリアのコンテンツサービス」

 はっきり言おう。これからのスマートフォン市場では、ハードウェアのラインアップをいくら拡充されても不十分だ。むしろ重要なのは、一般ユーザーが「スマートフォンを使いたい」「スマートフォンを買ってよかった」と感じるアプリやコンテンツ、サービスの数々であり、それらを探しやすく選びやすいプラットフォームがあるかどうか、である。スマートフォンが一般市場に浸透すればするほど、市場の軸足はハードウェアから、ソフトウェア&プラットフォームの部分に移るのである。

 このような中で、キャリア各社は「スマートフォンならではの魅力作り」のために、独自のコンテンツサービスに注力している。特に今年に入ってからは、その動きが著しい。

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