地面設置に適した小規模な太陽光発電システム、Looopの「MY発電所キット」とは

住宅の屋根置き用途やメガソーラーとは異なり、10〜50kW程度の小規模な太陽光発電システムを低コストで導入することは、これまで難しかった。Looopは高価なコンクリート製の基礎を省き、システムをキットとして提供することで、安価で施工しやすく、信頼性の高い製品を作り上げた。

» 2013年05月27日 10時00分 公開
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 国内の太陽光発電市場を引っ張っているのは住宅の屋根に設置するタイプのシステムだ。国内最大手の業界団体である太陽光発電協会(JPEA)によれば、国内に出荷された太陽電池モジュールのうち、約8割が住宅の屋根に向けたものだ。出力は1軒当たり2〜4kWのものが多い。

 出力が1000kWを超えるメガソーラーの伸びも著しい。経済産業省が発表した資料によれば、2012年12月末時点で、全国のメガソーラーの認定件数(計画)は742件に達した。今後もメガソーラー市場は順調に伸びていく見込みだ。

 こうしたなか、あまり脚光を浴びていない用途がある。地面に設置するタイプの太陽光発電システムだが、メガソーラーのような大規模システムではなく、出力10kWから数十kW程度のものだ。

小規模太陽光の課題とは

 このような小規模な太陽光発電にも潜在需要がある。2013年4月以降に適用された固定価格買取制度(FIT)では、出力10kW以上の非住宅用であっても、買取価格が設定されている。1kW当たり36円(税別)だ。

 メガソーラーほどの大面積の土地が不要なことも有利だ。出力10kWであれば、必要な土地は10m四方(100m2)程度。郊外であれば個人でも用意できる。

 特に用途がなく、遊んでいる土地があり、年間を通じた日照時間が確保できるなら小規模な太陽光発電を始めることは、ごく当たり前の判断だといえるだろう。

 地面に設置するタイプの小規模太陽光発電がこれまであまり伸びていなかった理由の1つは、設置に課題があったからだ。屋根設置とは異なり、土地にはあらかじめ架台を支える基礎がない。コンクリート製の基礎を打ち込み、金属製の架台を組み上げていくと、初期費用がどんどん膨らんでいく。これでは手が出しにくい。

 公的な統計資料は整備されていないものの、太陽光発電システムに占める太陽電池モジュールのコスト比率は5割を切っている。逆に言えば基礎と架台のコストが5割程度あり、これが1つの障壁になっていた。

小規模太陽光を自作する

 太陽光発電システム専業のLooopは、このような地面設置タイプの小規模太陽光発電に特化した製品「MY発電所キット」を開発、販売している(図1)。価格は多結晶12kWタイプで278万5000円(税別・送料別)から。系統に連系でき、FITによる売電が可能な製品だ。

図1 「MY発電所キット」の内容

 基本的な考え方は2つある。第1に導入時の見積もりが不要なよう、キット化したこと、第2に施工を単純化したことだ。キット化とは、太陽電池モジュール(ソーラーパネル)と架台、パワーコンディショナー、発電盤(分電盤)全てをあらかじめ組み合わせて販売するということだ。出力を高めたいユーザーはキットを複数接続すればよい。

 施工を単純化するとは、このようなことだ。MY発電所キットでは、コンクリート製の基礎を使わない。裸地に鉄パイプ(単管)を打ち込み、その上に架台と太陽電池モジュールを載せるという手法を採る(図2)。

図2 単管を人手で打ち込んでいるところ

 「ちょうどログハウスを自作するようなものです。太陽電池モジュールは1枚の重量が20kgあるため、大人2人の作業が必要になります」(Looop)。日中を全て作業に充てた場合、約1週間で完了するという。自作した場合は、何か故障があっても、問題箇所が分かりやすいという利点もある。なお、施工をLooopに依頼することも可能だ*1)

*1) 電気系統の工事をユーザー自らが進めるには、第二種電気工事士の免許が必要だ。施工を依頼した場合は、ヤマトホームコンビニエンスが担当する。

 MY発電所キットの構造を見たとき、一番の疑問は、果たして単管で十分な強度、信頼性が得られるのかということだろう。夏期の台風や冬季の積雪が心配だ。「地面の固さや水はけにもよりますが、3m強の単管を1.5m打ち込んで使います。このため、沖縄や豪雪地帯を除けば十分な強度と信頼性が得られます」(Looop)。

既に120カ所に設置

 MY発電所キットの考え方はユーザーに受け入れられたようだ。2011年12月に発売後、既に国内120カ所以上に導入されている(図3)。「発電所キットを導入する方の中には、遊休地や自己資金をお持ちではない方も増えてきました」(Looop)。

図3 MY発電所キットの導入地域

 導入地点は関東地方や中部地方の郊外が中心だ。「MY発電所キットは、出力が12kWの製品が最小限の単位になっています。これを2つ、4つ同時に設置される方が多く、500kWを超えるユーザーの例もあります」(Looop)。

 キットの形を採っているため、土地の形状などに依存しにくいという利点もある。「ユーザーが施工するため、現場に合わせた設置がしやすい特徴があります。平地だけではなく、40度以上の傾斜地に設置した例(図4)もあります」(Looop)。

図4 傾斜地に設置した例。出力は48kW。

Looopは311から始まった

 Looopは2011年4月に設立された比較的若い企業だ。代表者の中村創一郎氏が東日本大震災の被害地である石巻市や気仙沼市を訪れたことから、太陽光発電に取り組む事業が始まった。

 当初は楽天を通じた太陽光発電システムの個別部材の販売にとどまっていた。次に、太陽光発電のシステム化に可能性を感じ、自社発電所の建設を試みる。2011年10月に完成した山梨県北杜市の「柿の木ソーラー発電所」(出力16.6kW、図5)だ。柿の木ソーラー発電所は、コンクリート製の土台を使っていない。現在のMY発電所キットとは異なるものの、コンセプトはこのとき完成していたといえる。年末には「MY発電所キット12kW」の販売を開始した。

図5 柿の木ソーラー発電所の外観

 その後も、山梨県甲州市の「葡萄の木ソーラー発電所」(48kW)、山梨県山梨市の「桃の木ソーラー発電所」(96kW)、長野県上田市の「松の木ソーラー発電所」(228kW)、長野県東御市の「胡桃の木ソーラー発電所」(48kW)、群馬県桐生市の「桐の木ソーラー発電所」(144kW)を設置。MY発電所キットに用いたものと同一の太陽電池モジュールを使用しており、実地試験という色合いもあるという。現在は山梨県など関東圏の3カ所に出力1000kWの自社メガソーラーを建設中であり、加えて100〜500kWのミドルソーラーも2013年度中に数十件を設置予定だ。


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提供:株式会社Looop
アイティメディア営業企画/制作:スマートジャパン 編集部/掲載内容有効期限:2013年6月26日

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