必要は発明の母、Looopの「高圧MY発電所キット」と「まもるーぷ」

Looopは、2014年7月30日〜8月1日に東京ビッグサイトで開催された「PVJapan 2014」に出展し、高圧で連系が可能な「高圧MY発電所キット」や新型の架台、運転中の太陽光発電所に必要なサービスを1つにまとめた「まもるーぷ」など新しい製品やサービスを見せた。農地に太陽光発電所の機能を追加する「ソラシェア」や、今後予定する風力発電用のキットの概要も展示した。

» 2014年08月15日 10時00分 公開
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 Looopが発売した「高圧MY発電所キット」の特徴は、さまざまな出力に対応できるような設計を採ったことだ(関連記事)。設置予定地の面積などに応じて、最小出力の96kWからはじめ、32kWずつ容量を増やし、512kWまで設置できる。パワーコンディショナーは25kWで発電所の規模にあわせて増設できる。

 図1は高圧MY発電所キットを部分的に組み立てた様子。2014年7月30日〜8月1日に東京ビッグサイトで開催された「PVJapan 2014」に出展した様子だ。新型架台には出力250Wの太陽電池モジュールを4段4列(16枚)設置できる。つまり、太陽電池モジュールを全て設置したとき、図1全体の出力は4kWとなる。最小構成ではこれを24セット設置する。

図1 高圧MY発電所キットの外観。太陽電池モジュールを設置しているところ

 図1の手前の太陽電池モジュールは位置が少しずれている。これが新架台の特徴だ。新架台では左右の端から太陽電池モジュールを入れてレールに沿って滑らせていき、定位置で固定する。その途中を撮影した形だ。

 このような仕組みを取り入れることで設置が容易になり、作業人員や時間を抑えることができる。新型架台はアルミニウム製であり、スチールと比較して軽いため、組み立て、設置の手間が少なくてすむ。加えて、さびにくいため、メンテナンスコストを抑えることもできる。

 新型架台を設置するには、まずスチール製の単管(鉄パイプ)を一定間隔に打ち込む。単管の最上部にはフランジ(円盤状の部分)が付いているため、そこに柱や筋交いに相当する架台の部品を組み合わせていく(図2)。

図2 単管最上部のフランジに架台の部材を載せたところ

 高圧MY発電所キットでは4段4列の架台の8基に1つずつ出力25kWのパワーコンディショナーを取り付けていく。図3は架台の最後部にパワーコンディショナーを設置したところだ。

図3 高圧MY発電所キット用のパワーコンディショナー

シミュレーターで規模の目安が付く

 太陽光発電所を立ち上げる際、最初に役立つ無償サービスも展示した。

 土地の形状によってはどの程度の容量を設置できるのか分かりにくい場合がある。図4のような場合だ。

図4 設置容量が分かりにくい土地の一例

 そこで、同社は「太陽光発電 設置シミュレーター(高圧版は近日公開予定)」を開発し、同社のWebページからアクセスできるようにした。予定場所の住所を入力し、導入したいキット製品と数量を選択する。すると、地図上にキット(架台)が配置できるようになり、レイアウト(移動、回転)を調整後、年間発電量や売電量を自動計算できるという流れだ。そのままキットの見積もりを申し込むこともできる。

太陽光発電所向け総合サービス「まもるーぷ」

 展示会ではまもるーぷがどのようなサービスなのか、詳細な情報があきらかになった。図5がまもるーぷに関する展示内容である。年間サービス料金は太陽光発電所の規模によって異なり、200kWの場合は88万円、1MWの場合は278万円だ。

図5 「まもるーぷ」サービスの全体像

 まもるーぷは「監視」と「保守」「保険」という3つのサービスからなる。監視を担うのはLooopが既に提供している遠隔監視システム「みえるーぷ」だ。図5の左下にある白い箱がみえるーぷの本体であり、太陽光発電所に設置したパワーコンディショナーと接続して情報を取得する。その情報を3G回線でクラウドサーバに集積し、発電事業者が発電データやアラート情報として閲覧できるという仕組みだ(図6)。アラート情報はメールでも流れてくる。

図6 発電所の情報を表示したところ

 みえるーぷ本体の右隣にある白い筒状の装置は温度計、その隣の銀色の装置は日射計だ。いずれもパワーコンディショナーに接続して、遠隔監視に役立てる。

 まもるーぷの保守サービス(O&Mサービス)は、みえるーぷが集めた情報を利用する。内容は大きく4つに分かれる。監視、定期点検、障害対応、オプションのサイト管理だ。監視サービスは監視センターで要員が24時間365日対応するというもの。「太陽光発電では24時間の監視は必要ありませんが、今後当社が提供を予定している『MY発電所キット風力型』などを考えてこのようなサービス内容としました」(Looop)。

 定期点検は1年に1回のサービスだ。目視点検の他、機器の動作を専用の装置を用いて具体的に調査し、報告書にまとめる。「出力1MW規模だと、1回の定期点検に約1週間を要します」(Looop)。障害対応は監視の結果、異常があった場合に受けるサービス。

 サイト管理には、除草作業や太陽電池モジュールの清掃、カメラモニタリングや代行訪問サービスが含まれる。清掃などのサービスには一律の料金はない。これは地域によって1m2当たりの作業単価が異なるためだという。カメラモニタリングとはリアルタイムに動画を取得するのではなく、「これは」というタイミングで静止画情報を得るためのサービス。事故対応などに役立つ。代行訪問とは台風や集中豪雨などの後、太陽光発電所のおおよその状態を現場に出向いて調べるというものだ。

 監視、保守に加えてまもるーぷには三井住友海上が提供する3種類の保険サービスが含まれている。自然災害による器物破損に対しては火災保険相当の補償が受けられる(地震保険は含まれていない)。加えて発電が中断した場合の売電利益の逸失リスクも補償される。もう1つは機器が第三者に損害を与えた場合の補償だ。「大風などで一部の機器が飛び、第三者の財物に損害を与えた場合などに補償します」(Looop)。

ソラシェアの架台も見せた

 「ソラシェア」は農地の直上に太陽光発電システムを設置し、太陽電池と農作物で太陽光を分け合うというコンセプトの製品だ。高圧MY発電所キットなどとは異なり、営農の邪魔になってはいけない。農業機械などが不自由なく利用できなければならない。

 このため、ソラシェアの架台の高さは最大3.7mあり、桁下高さも最大3.3mある。支柱の間隔も広い。5.5mだ。通常のキットとは異なり、強度を維持するために強固な架台を採用した(図7)。

 ソラシェアには季節や作物の種類によって、利用する太陽光の量を調整する仕組みが備わっている。太陽電池自体が横軸を中心に回転する。この様子も展示会で見せた。

図7 ソラシェアの回転部分と強固な架台

風力発電ではモニターを募集

 展示会場でひときわ目立ったのは大型の風車だ(図8)。会場では高さ13m、風車の直径4.2mという「MY発電所キット風力型」の一部を見せた。出力は3kWであり、2014年内の発売を予定する。

図8 MY発電所キット風力型の主要部

 キットの発売に先立ち、風況モニターの募集を発表した。募集人数は10人。2014年9月から同12月まで募集する。高さ約10mの柱状のタワーを建設し、超音波式風向風速計(最大直径150mm)をタワーの頂部に設置する。発電機がセットとなり超音波風向風速計の電力をまかなう。タワーをワイヤーで固定するため、100m2程度の土地が必要だ。

 2014年9月3日〜同9月5日にインテックス大阪で開催する「第2回 PV EXPO 2014」で実機(メガソーラーキット、ソラシェア、MY発電所キット風力型など)を展示する予定だ。展示ブースは2号館9-1。


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提供:株式会社Looop
アイティメディア営業企画/制作:スマートジャパン 編集部/掲載内容有効期限:2014年9月14日

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