電力自由化向け新サービス、Looopの強みとは

再生可能エネルギーの普及拡大を狙うLooop。太陽光発電所に必要な部材やサービスを中心に規模を拡大する中、2015年4月からは電力自由化市場向けの新サービスを開始する。太陽光発電所から電力を買取、新電力(PPS)に販売する。事業の狙いや新サービスの内容について聞いた。

» 2015年02月27日 10時00分 公開
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 Looopは2015年2月25日〜27日に東京で開催された「第1回 電力自由化EXPO」において、電力自由化に向けた新サービスの概要を見せた(図1)。事業の狙いや手法について、新サービスを担当するLooop事業本部営業企画部で部長を務める小嶋祐輔氏に聞いた(図2)。

図1 Looopが考える電力の未来像

図2 Looop事業本部営業企画部で部長を務める小嶋祐輔氏

 そもそもLooopが太陽光発電事業に加わることになったのは、エネルギー問題が深刻化する中、化石燃料に依存せず、自然エネルギーだけで電力を供給する計画に魅力を感じたからだという。自然エネルギーの普及が進めば地球温暖化を遅らせることができ、地理的条件や政治情勢に左右される化石燃料の束縛から逃れることもできる。資源のない日本が資源国日本に変わる。

 そのためにまずは太陽光発電所、それも低コストで太陽光発電所を立ち上げることに役立つ部材「太陽光発電キット」の提供から事業を開始した。完成後の発電所の管理・運営に役立つ「みえるーぷ」や「まもるーぷ」といったサービスも開始した。さらに小形風力発電や地熱バイナリー発電などへと電力の幅を広げており、地域に適した発電設備を導入、運用するために地域との連携も強くしていく。

 次は発電事業者と電力の消費者をうまくつなぐことだ。そのために、発電事業者からの電力買取を2015年4月から始める。買い取った電力は新電力(PPS)に販売する(図3)。2016年の自由化後はグループ企業を通じて電力を販売することも考えている。

図3 Looopが取り組む電力サービスの全体像

Looopへ電力を売電するとメリットあり

 新サービス開始後は、Looopが太陽光発電所からの電力買取を始める。そのためには発電事業者に対して売電先を切り替えてもらう必要がある。各地域の電力会社からLooopへの切り替えを促すために3種類のプレミアムを用意した(図4)。

図4 発電事業者向けのプレミアム

 1つ目のプレミアムは、固定価格買取制度(FIT)よりも高い買取価格だ。例えば1kWh当たり1円のプレミアム価格が付くと、49.5kWの発電所を運営する事業者の場合、1年間で約5万6000円、20年間で約130万円の収入増となることを訴える。

 太陽光発電事業者にとって、20年間安定した電力が得られることが重要だ。そのためには発電所の状況を監視するツールが必要になる。そこで、2つ目のプレミアムとして同社の遠隔監視システムをサービス価格で提供する。提供するサービスは2つ。1つは発電所内のパワーコンディショナーに接続して、ストリング単位の発電量を遠隔監視できる「みえるーぷ」だ。みえるーぷの本体を無料で提供する。通信費(年間2万5000円)と配送料(2000円程度)も無料だ。

 さらにみえるーぷとO&Mサービス、損害保険を組み合わせた「まもるーぷ」をやはりサービス価格で提供する。高圧で連系する発電所の場合、初年度のサービス料を無料にする。

 みえるーぷをサービス価格で提供するねらいは、契約量を増やすだけではないという。みえるーぷの導入量が増えると、天気予報データと組み合わせた精度の高い発電量予測ができるようになり、新電力(PPS)に電力を販売する場合にインバランス対策として役立つ(図5)。インバランスとは需要電力量と供給電力量(=発電量)の差をいう用語。新電力事業者には需要量と供給量を30分単位で一致させる義務がある。電力量を正確に予測することで、需要量と供給量の一致を実現できる。

図5 発電量予測システムが拡大する

 3つ目のプレミアムを「お友達プレミアム」と呼ぶ。他の太陽光発電事業者を紹介し、Looopと契約を結んだ場合、紹介者、被紹介者とも太陽電池モジュールの容量1kW当たり500円をキャッシュバックする。100kWの発電所の場合5万円だ。

 このようにして電力の調達先を広げると当時に、Looopは自社の安定電源の確保にも取り組む。2016年までに地熱発電にも取り組むとした。2016年4月の電力小売の全面自由化に向けて、Looopは発電に関連した事業を拡大していく。

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提供:株式会社Looop
アイティメディア営業企画/制作:スマートジャパン 編集部/掲載内容有効期限:2015年3月26日

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