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» 2015年03月11日 07時00分 公開

法制度・規制:九州電力は要対策、太陽光発電の出力抑制の試算が示す (4/4)

[畑陽一郎,スマートジャパン]
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中国電力は2022年に抑制率6.7%

 中国電力は2014年11月時点で「接続可能量」に到達していない。そのため、まず360時間ルールが適用される。シミュレーション結果が多少複雑になる。

 ベースロードが266万kWの場合、「接続可能量」の558万kWに達した時点で、年間抑制率は6.7%(図6)。JPEAによれば2022年ごろの接続量だ。系統接続量が650万kWを超えた辺りから抑制率が急上昇し、2030年以降に到達するとJPEAが予測した850万kWでは10kW以上の設備の抑制率が36.1%にも達する。特徴的なのはその時点で、10kW未満の設備でも抑制率が6.1%となることだ。

 ベースロードが220万kWの場合は、系統接続量が558万kWの時点で、年間抑制率は3.7%。850万kWでも23.8%だ。このとき10kW以上設備の360時間ルールは11.0%、10kW未満は0.5%。

 ベースロードが170万kWだと、558万kW時点で抑制率は1.5%、850万kW時点でも10.4%である。

図6 ベースロードが266万kWの場合の中国電力のシミュレーション結果 出典:JPEA

九州電力は対策の時間が残り少ない

 JPEAが試算したシミュレーション結果から分かることは、4つある。まず九州電力では事態が急速に進むということだ。2017年ごろに6.9%と予想される年間抑制率が、2021年には23.4%に達する可能性がある。東北電力と中国電力では2030年まで対策をとる多少の時間の余裕がありそうだ。

 2番目も九州電力だ。九州電力は年間抑制率を計算する場合、出力抑制の時間単位を「日」としているため、実運用から懸け離れた抑制率になっている可能性がある。これでは太陽光発電事業者などに不必要な不安を与えてしまう。

 次は中国電力だ。図2では地域間系統連系線の活用量が「0」になっている。新たに46万kWを活用することで、2022年時点の抑制率を6.7%から3.7%に減らすことが可能だ。

 4番目は出力が変化しないベースロードの規模が小さくなると、太陽光発電の年間抑制率が下がることだ。太陽光発電の抑制率は原子力発電の規模が大きいほど高まる。

 再生可能エネルギーも原子力もともに20%超まで増やすという政府のエネルギーミックスの方針(関連記事)を実現するというのであれば、地域間系統連系線の活用、拡張は必須だ。

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