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» 2016年01月26日 09時00分 公開

水素エネルギーで日本をリード、太陽光発電も全国一の導入量エネルギー列島2015年版(40)福岡(4/4 ページ)

[石田雅也,スマートジャパン]
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水道とダムの水流で小水力発電も始まる

 固定価格買取制度が始まった2012年7月以降、福岡県の太陽光発電は急速に拡大した。すでに運転を開始した発電設備の規模は全国で第1位だ(図10)。合計で83万kW(キロワット)に達して、発電能力は原子力発電所1基分に匹敵する。さらに運転開始前の認定設備を含めると3倍の規模になる。

図10 固定価格買取制度の認定設備(2014年12月末時点)

 中小水力の導入も始まっている。特に水道設備やダムの水流を利用した導入プロジェクトが目を引く。福岡市の水道局は2カ所の浄水場に小水力発電設備を導入済みだ。そのうちの1つは隣接する大野城市(おおのじょうし)で運営する「乙金(おつがね)浄水場」の構内に設置した(図11)。

図11 「乙金浄水場」の小水力発電設備。出典:福岡市水道局

 乙金浄水場は福岡市の周辺地域と市内を結ぶ水道設備の1つで、20キロメートル離れた取水場から導水管を通して水を取り込んでいる。その間の35メートルの落差を生かして発電する仕組みだ。発電能力は96kWで、年間に63万kWhの電力を供給することができる。今後も水道設備を利用した小水力発電の導入は広がっていく。

 小水力発電は県営のダムでも取り組んでいる。県内に15カ所あるダムのうち、これまで水力発電を実施していなかった12カ所を対象に小水力発電の可能性を調査した。検討の結果、4カ所で採算をとれる見込みのあることがわかり、ダムが立地する市町村で発電事業を検討しているところだ。

 大分県に接する内陸部の「うきは市」では、4カ所のダムの1つ「藤波ダム」に小水力発電所を建設することを決めた。藤波ダムは洪水を防ぐための治水ダムで、取水設備から導水管を通じてダムの直下に放流する仕組みになっている。この導水管を延長して、発電所の水車まで水を取り込む(図12)。

図12 「藤波ダム」の小水力発電所建設計画。全景(上)、発電所の設置場所(下)。出典:うきは市うきはブランド推進課

 水流の落差は40メートルに達して、最大で170kWの電力を作ることができる。年間の発電量は96万kWhを想定していて、固定価格買取制度で売電すると3300万円の収入になる。建設費は4億4000円かかるため、毎年の運転維持費を考慮すると20年間に1億9000万円の利益が出る見込みだ。2016年10月に運転開始を目指している。

*電子ブックレット「エネルギー列島2015年版 −九州編 Part1 −」をダウンロード

2016年版(40)福岡:「北九州の荒波の上で洋上風力発電、自動車工場には太陽光と水素」

2014年版(40)福岡:「水素タウンで先を走る、太陽光やバイオマスから水素も作る」

2013年版(40)福岡:「九州の新しい発電拠点へ、2020年までに再生可能エネルギーを3倍以上」

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