蓄電池連携“停電対応”冷蔵庫を発売する、シャープの勝算省エネ機器(1/3 ページ)

鴻海精密工業の出資を受け経営再建を進めるシャープだが、再建に向け苦しんでいるのがエネルギー関連事業である。新たに同社は同事業の一端を担う製品として停電時の長時間運転が可能な蓄電池連携冷蔵庫を発表した。

» 2016年05月27日 16時00分 公開
[三島一孝スマートジャパン]

 シャープは2016年3月に鴻海精密工業からの出資を受け入れ、経営再建を進めるとしていたが、2016年5月12日に発表された2016年3月期(2015年度)の決算では、エネルギーソリューション事業の採算が悪化。一時は、エネルギーソリューション事業の売却や閉鎖なども話題となっていた。しかし、2016年5月25日には鴻海精密工業の総裁である郭台銘氏と、副総裁でシャープの新社長に就任予定の戴正呉氏が署名入りで「大切なお客様と取引先の皆様へ」と題した声明を発表(関連記事)(図1)。

photo 図1 郭台銘氏と戴正呉氏のエネルギーソリューション事業に対する声明(クリックで拡大)出典:シャープ

 これによると、シャープのエネルギーソリューション事業について「完全にコミットしている」とし、「シャープブランドの継続、維持、強化」を務めていくとともに「どこよりも行き届いたアフターサービスと革新的な太陽光とエネルギー関連機器をお届けし、お客様・お取引先の信用を取り戻し、エネルギーソリューション事業を拡大すること」を約束している。

 エネルギーソリューション事業を改善し成長させていくという方針が明確になったことで、2016年5月25日にはモジュール効率が19.6%の住宅向け太陽光発電システムの新製品を発表(関連記事)。立て続けに同年5月26日に発表したのが、蓄電池連携 停電モード付プラズマクラスター冷蔵庫「JH-DT55B」である(図2)。「JH-DT55B」は定格内容積が551リットルで、税別希望小売価格が48万円、発売日は同年6月15日を予定している。

photo 図2 蓄電池連携 停電モード付プラズマクラスター冷蔵庫「JH-DT55B」出典:シャープ
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