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» 2016年05月31日 09時00分 公開

太陽光:太陽電池モジュール出荷がついに減少、パネルメーカーの生存競争が激化 (3/3)

[長町基,スマートジャパン]
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立て直しに本格始動するシャープ

 シャープはソーラーエネルギーと蓄電池をベースにHEMSや省エネ家電などの製品をクラウドと連携させたサービスの提案を強化している他、EPCや福島復興地域を中心としたIPPの積極的な事業展開、海外の地域ニーズに応じたソリューション事業の推進などに取り組んでいる。2015年度の実績は、国内の住宅用、産業用需要の減少などにより、ソーラーを中心としたエネルギーソリューション事業の売り上げは前年度比42.1%減の1568億円となった。同社ではエネルギーソリューション事業再建に向けて売却などの可能性もささやかれていたが2016年5月25日には、出資した鴻海精密工業の総裁である郭台銘氏と、副総裁でシャープの新社長に就任予定の戴正呉氏が署名入りでエネルギーソリューション事業の継続および強化を明言(図5)。今後も引き続いて各地域のニーズに合わせたソリューション事業への転換を進めて、巻き返しを図る。

photo 図5 郭台銘氏と戴正呉氏のエネルギーソリューション事業に対する声明(クリックで拡大)出典:シャープ

海外展開の強化を進めるソーラーフロンティア

 ソーラーフロンティアの2015年の実績は、親会社である昭和シェル石油の16年12月期決算からみると、パネル出荷数量は前年比で増加したものの、パネルの平均販売単価は前年比で下落したとする。これは国内パネル市況が低下したこと、また中期経営アクションプランに基づき、将来の収益基盤強化への種まきとして海外市場における販売強化に取り組んだ結果、相対的に販売価格の低い海外市場向けの出荷割合が高まったことなどによるものだ。

 主力の国富工場(宮崎県、公称年産能力900MW)は、フル生産を続けると同時に、パネル生産コストを中心に継続したコスト削減活動に取り組んだが、円安進行による海外部材調達コストの上昇などにより効果は限定的となり、その結果、前連結会計年度と比較して大幅な営業減益を記録した。昭和シェル石油の太陽電池を主力としたエネルギーソリューション事業の売上高は1194億円(前連結会計年度比13.8%の減収)、営業損失は101億円(同278億円の減益)となっている(図6)。

 同社では、営業面では現在将来の安定した需要が見込まれる国内住宅向け販売にフォーカスした販売活動を実施している。国富工場の高稼働を維持しつつ、代理店などと国内販売強化活動を展開中だ。海外市場では販売チャンネルを着実に強化し、トルコやタイなどの新市場の開拓を進めている。また、米国のBOT(Build Operate Transfer)第一号案件を売却決定するなど、BOTビジネスが順調に進捗している。一方、製品開発関連では0.5平方センチメートルCIS薄膜太陽電池セルで22.3%の変換効率を達成し、薄膜太陽電池の世界記録を更新した。

photo 図6 ソーラーフロンティア国富太陽光発電設備(図中右側の発電所) 出典:ソーラーフロンティア
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