電力×エコ＆ソーシャル――社会・環境貢献型電力事業：3分で分かるこれからの電力業界（8）（4/4 ページ）

[江田健二，スマートジャパン]

会社選びのチェックポイント

　エコを前面に押し出し社会・環境配慮を遂行している会社の中から、あなたに合った会社、優良企業を見つけ出すためには、入念な調査と慎重な判断が必要です。前述したように、一言で社会・環境配慮といってもさまざまな形があるからです。ですから、あなたが本当に社会・環境貢献型の会社で働きたいのであれば、まずは以下の点をチェックしておきましょう。

• 会社の規模。事業の継続の可能性は？
• 社会・環境貢献に対する企業理念や長期的方針が明確に打ち出されているか
• 特に、経営者の理念に説得力があるか（経営者の経歴も含めて）
• 社会・環境貢献分野における取り組み実績があるか（会社設立年数も含めて）

　また、環境への貢献度が高い会社かどうかを見極める指標の一つとして、その会社が販売している電気の「電源構成」を知っておくことも重要です。ただし現状では電源構成に関する情報を開示することが法律で義務づけられていませんので、なかには情報を公開していないケースもあります。まずは電源構成を公開している会社の中から、再生可能エネルギーの割合が高い会社を探してみましょう。

　一方、再生可能エネルギーの普及や二酸化炭素の削減は、国を挙げて取り組んでいる大きな課題なので、そこには補助や助成などといったさまざまな制度があります。そうした制度を積極的に活用しながら環境価値の高い電力を販売していこう、という会社も増えていますので、各企業の環境への貢献度を計る方法としてその辺りを詳しく調べてみるのもよいでしょう。再生可能エネルギーを安価で調達する「FIT」と呼ばれる制度を利用している電力会社も多くあります。FITをどのように活用し、再生可能エネルギー活用にどう取り組んでいるのかを把握しておくことも重要です。

　いずれにせよこの分野での会社選びは、いろいろな意味でややリスクが高いと考えられるため、他の分野よりも慎重に見極めることが重要でしょう。

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本稿は『3時間でわかるこれからの電力業界 ―マーケティング編― 5つのトレンドワードで見る電力ビジネスの未来』（江田健二 ／一般社団法人エネルギー情報センター 著）からの転載です（アイティメディアの表記ルールに基づいて原本から表記を一部変更しています）。

著者：江田健二氏
「環境・エネルギーに関する情報を客観的にわかりやすく広くつたえること」「デジタルテクノロジーと環境・エネルギーを融合させた新たなビジネスを創造すること」を目的に執筆／講演活動などを実施。 富山県砺波市出身。慶應義塾大学経済学部卒業。 アンダーセン・コンサルティング(現アクセンチュア株式会社）に入社。 エネルギー/化学産業本部に所属し、電力会社のCRMプロジェクト、大手化学メーカーのSCMプロジェクトなどに参画。その後起業、環境・エネルギービジネスの推進や企業のCSR活動を支援している。 RAUL株式会社 代表取締役、一般社団法人エネルギー情報センター理事、一般社団法人エコマート運営委員。

一般社団法人エネルギー情報センター
エネルギーに関する正しい情報を客観的に分かりやすく広くつたえること、ITとエネルギーを融合させた新たなビジネスを創造することを目的に設立、運営。多くの人・組織が共に学び、考え、協力していく『場』となるプラットフォームを提供していきます。
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