風力発電の電力で製造した水素は、燃料電池フォークリフト専用の水素充填車2台で運搬する。フォークリフトの使用条件を考慮し、使用場所に充填車が近接する必要があるなどの理由から、小型の専用車両の投入を決めた。
燃料電池フォークリフトは卸売市場や物流倉庫など4拠点に計12台を導入した。使用条件の異なる4拠点で運用を行い、燃料電池フォークリフトの使い勝手や水素の消費量、CO2削減量などを検証していく。
水素充填車2台で、4拠点に対していかに最適に水素を運搬していくかも重要な検証項目になる。今後は水素の製造から利用までを一元管理できるクラウドシステムを構築し、燃料電池フォークリフトの水素残量を把握して、それに合わせて「ジャスト・イン・タイム」で配送を行うなど、運用の高度化にも取り組んでいく。
再生可能エネルギーを利用して製造した水素と、燃料電池フォークリフトの導入により、現在主流の電動・ガソリンフォークリフトと比較してCO2排出量を80%以上削減できる見込みだという。
実証期間は2018年度までを予定している。焦点となるのは実用化に向けた課題であるコストの検証だ。実証では水素の量産効果や規制緩和などにより、水素サプライチェーンの構築に掛かるコストをどこまで下げられるかなどを精査していく。
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