ソニーもRE100に加盟、「自己託送」で拠点間の再エネ融通も検討自然エネルギー

ソニーが事業で使用する電力を100%再生可能エネルギーとすることを目指す国際的なイニシアチブ「RE100」に加盟。自己託送制度などを活用して、拠点間での再エネ融通なども検討するという。

» 2018年09月13日 09時00分 公開
[スマートジャパン]
RE100のロゴ

 ソニーは国際NGO団体であるThe Climate Groupが国際非営利団体のCDPとのパートナーシップの下で運営するイニシアチブである「RE100」に加盟した。2040年までに自社の事業活動で使用する電力を100%再生可能エネルギーにすることを目指す。

 RE100は、事業活動での使用電力を100%再エネ化することを目指す企業で構成されており、全世界で140社(2018年9月10日現在)が加盟している。

 ソニーでは、今後、再エネの導入を加速するため、既に事業所の電力を100%再エネ化した欧州に加え、北米や中国での再エネ導入を拡大する他、タイや日本などの製造事業所での太陽光パネルの設置を進める。

 また、複数の半導体の製造事業所を有しソニーグループで最も電力消費が多い日本で「自己託送制度」を活用した事業拠点間での電力融通の仕組みを構築し、太陽光パネルなどの再エネ自家発電設備により作られた電力を電力会社が保有する電力網を介してソニーの事業所へ供給することを検討する。

 さらに、日本において、経済的かつ安定的に十分な量の再エネが供給されるよう、RE100加盟の他企業とともに再エネ市場や政府への働きかけを強化するという。

 ソニーグループは、2050年までに自社の事業活動および製品のライフサイクルを通して「環境負荷ゼロ」の実現を目指す環境計画「Road to Zero」を長期的ビジョンとして掲げている。現在、その達成に向けて、2016年度から2020年度までの環境中期目標「Green Management(グリーンマネジメント)2020」の施策を実行しており、その重点項目の一つが再エネの活用となる。

 2020年度までの5年間累計で、再エネの活用によるCO2削減貢献量を30万トンと目標設定しており、再エネ証書スキームの活用や太陽光パネルの設置などさまざまな形で再エネの導入を加速しており、既に2017年度までの2年間累計で約15.4万トンの削減貢献を実現した。

 吉田憲一郎ソニー代表執行役社長兼CEOは、「ソニーは業界に先駆け、長年、気候変動など環境問題への対応を積極的に進めてきた。このたびRE100に加盟し、再生可能エネルギーで操業する社会の実現に貢献できることをうれしく思う。当社では車載CMOSイメージセンサー事業を通じた自動運転時代における安全性の向上、及び環境負荷の低減への貢献を、長期視点で提供する社会価値の一つと位置付けている。同時に半導体生産などの事業活動が地球環境に与える影響にも十分配慮し、それを最小化するための活動にも積極的に取り組んでいる」などとコメントしている。

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