新エネルギー市場は「ゴールドラッシュ」、求められるのは「顧客中心のビジネスモデル」エネルギー管理(2/3 ページ)

» 2019年08月08日 07時00分 公開
[廣町公則スマートジャパン]

蓄電、EV、DR、VPPが成長エンジンに

 ナラヤン氏は、日本のエネルギー市場について次のように述べている。「急速な規制緩和と新たなエネルギー技術に積極的に取り組んでいる日本を、世界で最も重要な戦略地域の1つと位置付けている。日本での当社の存在意義は、顧客がデマンドレスポンス(DR)と分散型エネルギー源の集約および給電、マーケティングを行うことで、より多くの再生可能エネルギーを統合する『オートグリッド・フレックス(AutoGrid Flex)』のVPP機能によって、エネルギーの有効活用を実現させることにある」

 同社が提供するオートグリッド・フレックス(AutoGrid Flex)とは、エネルギー業界において初めて、真に統合されたフレキシビリティ・マネジメントを実現するプラットフォームであるという。再エネ発電設備(分散発電)だけでなく、蓄電システム(貯蔵)や電気自動車(EV)、スマートインバーターなども含め、あらゆる種類・規模の分散型エネルギー源(DER)をカバー。さらに、バーチャルパワープラント(VPP)からデマンドレスポンス(DR)、エネルギー貯蔵システムの最適化に至るまで、さまざまな制御・利用方法に柔軟に対応する。

「オートグリッド・フレックス(AutoGrid Flex)」の概要 出典:オートグリッドシステムズ

 これからの日本を考えたとき、電気自動車を含めた蓄電システムの普及と、デマンドレスポンスへの対応がとくに大きな意味をもつ。ナラヤン氏は、そこにはフレキシビリティ・マネジメントの必要性が顕在化され、その周辺には大きなビジネスチャンスが創出されると指摘する。

 そして、「エネルギー市場は自由化により、電力小売事業者は新規顧客の獲得や関係構築、既存顧客の保持に向けた新たな手法を必要としている。グリッド経営側は、再生可能エネルギー、エネルギー貯蔵、さらに新電力の利用を促進するために、需要に対して柔軟に対応できる新たな統合ソリューションを必要としている。こうした変革をうまく捉えて進んでいけば大きなメリットを享受することができるし、逆に何もしなければ、市場の変化が皆さんのビジネスに大きな脅威となってしまう。ですからわれわれは、皆さんがこの変革の時期をうまく乗りきっていくためのパートナーとして、新しいビジネスモデルの構築をサポートしていきたい」と話す。

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