下位ローカル系統(77kV以下)では再エネ電源の比率が高いため、一律制御方式とすることに一定の合理性があるが、上位のローカル系統(154kV、110kV系統)では火力電源がやや多く、ループ系統を構成するなど、基幹系統に近い特徴を有する場合もあることが分かっている。このため、上位ローカル系統に対しては基幹系統と同様に、再給電方式による混雑管理を適用することが合理的となる可能性もある。
系統別の電源構成等はエリアごとに異なる特徴があるため、今後個別の状況を踏まえて検討する予定である。
従来、「系統接続」と「系統増強」は一体的に行われてきたのに対して、ノンファーム型接続導入により、系統増強すること無く、接続が可能となることから、今後は「系統接続」と「系統増強」を別物として捉えることが可能となる。
今後、一般送配電事業者が費用便益評価を行い、これが「B/C>1」(B/C:費用便益比)となる案件については、一般送配電事業者がプッシュ型の設備形成の中で増強していくこととなる。
これは社会全体で便益が得られる工事であるため、その費用は一般負担(託送料金を通じた広く薄い費用回収)となる。
これに対して、「B/C>1」となり社会的便益が得られない場合に、発電事業者自身が系統増強費用を負担する「特定負担」方式により、系統増強を行う仕組みを設けるかどうかについて、今後の検討課題とされる。
以上の検討を踏まえ、ローカル系統および配電系統(10kW未満電源を除く)におけるノンファーム型接続の適用は、2023年4月1日より受付が開始されることとなった。
従来、容量市場等の制度はすべてファーム型接続を前提としてきたことから、ノンファーム電源に関する供給計画、需給検証、容量市場等における供給力評価の在り方や、また需給調整市場における調整力としての取り扱い等について整理が必要とされており、2022年内に結論を得ることを目標としている。
10kW未満電源を除くノンファーム型接続の適用拡大により、電源の系統接続時点の障壁はほぼ解消されたと言える。
今後、電源に適切な立地インセンティブを与えるためにも、系統ごとの混雑発生率などの情報公開が進むことが期待される。
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