容量市場の2022年度メインオークション結果が公表、約定平均単価は1.7倍にエネルギー管理(1/5 ページ)

将来の電力供給力確保を目的に導入された「容量市場」。このほど市場開設から3回目となる2022年度のメインオークションの結果が公表された。その結果の概要とポイントをまとめた。

» 2023年01月31日 07時00分 公開
[梅田あおばスマートジャパン]

 容量市場制度の開始以来3回目となる2022年度のメインオークション(対象実需給年度:2026年度)の結果が、2023年1月25日に広域機関から公表された。

 約定総容量は1億6,271万kW、経過措置を踏まえた約定総額は8,425億円である。経過措置考慮後の総平均単価は約5,178円/kWとなり、これは昨年度の総平均単価3,109円/kWの約1.7倍の水準である。

 昨年度に続き、今年度のオークションでも市場分断が発生したため、約定価格(エリアプライス)は表1のような結果となった。

表1.2022年度容量市場メインオークション(実需給年度:2026年度)約定結果 出所:電力広域的運営推進機関

 市場分断の結果、北海道エリア・九州エリアでは、マルチプライス方式が適用されている。この場合、隣接エリアのエリアプライスの1.5倍が当該エリアプライスとなり(例:東北5,833 円/kW×1.5=北海道8,749 円/kW)、それを超過した応札価格の電源は応札価格がそのまま約定価格となるルールである。

 容量市場の目的は、発電事業者やDR事業者に支払われる容量確保契約金額によって、電源等への投資を適切なタイミングで行い、必要な供給力を前もって確実に確保することである。

 この容量確保契約金額は、一般送配電事業者や小売電気事業者が負担する容量拠出金により賄われている。いずれにおいても最終的には、託送料金や小売料金を通じて、一般の需要家が負担することとなる。

 容量市場は、将来(4年後)の供給力を確保する仕組みであるため、実際にこの費用を一般需要家が支払うのは、2026年度となる。

表2.エリア別 容量拠出金(試算) 出所:広域機関
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