新経済連盟が「カーボンニュートラルビジョン」を公表、その政策提言の内容とは?(3/3 ページ)

» 2023年06月05日 07時00分 公開
[廣町公則スマートジャパン]
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GX庁(仮称)を新設し、オールジャパンで推進

 提言3(GXを進めるための仕組みづくり)では、ロシア・ウクライナ情勢を踏まえ、化石燃料の供給構造が抱える不安定性に起因するリスクを指摘。大規模なGX投資(水素・アンモニア・洋上風力・原子力等)により、化石燃料依存からの脱却を急がなければならないと説く。そして、そのためには「公平な競争環境を確保し、発電・送配電・小売全体を通じた効率性を向上させる電力システム改革を加速化する必要」があるとする。

 GXを着実に進めていくためには、GXに関わる人材の育成も欠かせない。しかし、現状では、経営、事業企画、研究開発、コンサルティング、投融資などさまざまな面でGXの知見を踏まえた人材が不足している。「GX人材に必要なスキル等の整理・育成プログラムや検定等の情報サイトを整備し、社会全体でGX人材育成のためのリスキングの仕組み構築・活躍のためのプラットフォームや体制構築」を図っていかなければならないとする。

 GX政策は関係省庁が広範多岐にわたるとともに、地方自治体とも密接に連携のうえ、オールジャパンで取り組んでいく必要のある課題だ。新経済連盟では、「GX政策の総合的な指令塔として、GXに関する事項を網羅的に管掌し推進するGX庁(仮称)を新設」することを提言。GX政策立案にあたっては、さまざまな分野の専門家の採用を可能にするとともに、官と民の間で人材が流動的に行き来する仕組みを構築することが必要不可欠であると説く。

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