先述のGX基本方針や、2023年5月のSAF官民協議会中間とりまとめにおいては、SAFの量的目標としては、シンプルにSAFの使用量や供給量それ自体として捉え、航空燃料消費量の10%(171万kl相当)とする案が示されていた。
今回の高度化法目標設定における検討では、GHG削減効果をメルクマールとした供給目標量を設定することとして、具体的には、我が国全体でのSAF供給目標量は、「2019年度に日本国内で生産・供給されたジェット燃料のGHG排出量の5%相当量以上」とする。
これは、「2019年度に日本国内で生産・供給されたジェット燃料 × SAFの混合率10% × GHG削減効果50%相当」と表されるため、石油由来ジェット燃料比でGHG排出量を50%削減したSAFであれば、使用量(混合率)は10%で目標達成となるが、GHG削減率の低いSAFであれば、より多くのSAF使用(高い混合率)が必要となることを意味している。
高度化法では、一定の目標値達成を求める時間軸として、複数年の期間を設けており、例えばバイオエタノールでは、2023〜2027年度の5年間が規制対象期間とされている。
またEUでは、SAFの生産・利用を促進する新たな規則として「RefuelEU Aviation」を2024年1月1日から施行しており、SAF及び航空用合成燃料の最低比率を5年単位で定めている。
これらを参考として、高度化法告示におけるSAFの対象期間は、2030〜2034年度の5年間として、対象期間中の供給目標量は一定とする。なお、2035年以降の目標については、今後のICAOなどの国際的な動向等を踏まえて改めて官民協議会において議論する。
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