家電リサイクル法や自動車リサイクル法では、当該製品のリサイクル(再資源化)は、原則、製造業者等が実施することが義務付けられている。これは、製品情報を最も有する製造業者による効率的・適切な再資源化の実施や、より再資源化しやすい製品の開発・製造を促すためである。
先述の通り、太陽光パネルについては製造業者等に再資源化の行為そのものは求めないことと整理したが、再資源化における製造業者等の役割として、再資源化費用の負担を求めることとした。製造業者が再資源化費用を負担することにより、太陽光パネルの軽量化や有害物質使用量の低減等、再資源化コストの低減へ向けた環境配慮設計が進み、ひいては社会全体のコスト低減にもつながると期待される。
家電や自動車の個別リサイクル法においても、再資源化・再商品化の実施義務者である「製造業者等」には輸入業者が含まれることから、海外製太陽光パネルについては、これを輸入する事業者に対して再資源化費用の負担を求めることとする。
また、家電リサイクル法等においても再資源化費用は第三者機関が管理していることを踏まえ、太陽光パネルについても確実な費用確保を担保するため、パネルの製造・輸入時に、再資源化費用を第三者機関へ支払うこととする。
第三者機関に支払われた再資源化費用は、設備所有者が太陽光パネルを解体・撤去及び再資源化を発注する時点で、交付される。
再資源化費用については、製造又は輸入販売した太陽光パネルの重量(kg)に、一定の単価を乗じることで算出することとする。
再資源化費用の単価については、再資源化に「通常要する費用」の額を基礎として、環境配慮設計による「再資源化しやすさ」も考慮する仕組みとする。これにより、製造業者等における再資源化費用低減への取組を促すこととする。
環境省調査によれば、現在の太陽光パネルリサイクル費用(解体撤去、収集運搬を除く)の水準は、8,000〜12,000円/kWと考えられる。今後の技術開発や、排出量増加に伴い稼働率が上がることでリサイクル費用の低減が見込まれるほか、再生材の利用拡大及び再生材の売却益の増加により、社会全体のリサイクル実質費用を低減していくことが求められる。
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