板ガラス加工製品は建築や自動車、エレクトロニクス産業などさまざまな産業で使用されるが、加工前の板ガラス「素板(もといた)」は、国内ではAGC、日本板硝子、セントラル硝子プロダクツの3社のみが製造している。
板ガラスの製造工程は「素板工程」と「加工工程」で構成され、「素板」を生産する溶解窯は国内3社で合計9窯であり、窯の運転条件を変えながら、さまざまな種類の板ガラス生産に対応している。
素板工程では原料の溶解工程が含まれるため、板ガラス製造工程全体のCO2直接排出量の約9割が発生しており、各社共通で比較可能な工程であることから、ベンチマークの対象範囲は「素板工程」とされた。
また、板ガラスは1つの窯で多品種の素板を製造しており、各社の品種構成により溶融量(溶解窯から出るガラスの量)に対する素板の生産量に差が生じるため、「溶融量当たりの排出原単位」をベンチマークとする。
板ガラス製品は、品種に応じて素板工程の製法(フロート法とロールアウト法)や製板スピード等を変えて製造しているため、品種によって素板製造の排出原単位に有意な差が存在する。このため、各社のベンチマーク指標作成に際しては、図5のような製法・品種の特性を踏まえた補正係数を乗じることとする。
以上より、板ガラス産業のベンチマーク指標及び排出枠割当量の算定式は、
として、基準活動量は2023〜2025年度における平均溶融量×品種毎の補正係数(通常品に換算した溶融量)とする。
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