排出量取引制度、自動車製造業のベンチマークは「ボディ塗装工程」に第4回「製造業ベンチマークWG」(3/4 ページ)

» 2025年11月14日 07時00分 公開
[梅田あおばスマートジャパン]

ガラスびん製造のベンチマーク

 国内のガラスびんの年間出荷本数は約48億本と減少傾向にあるが、このほかに約13億本のリターナブルびんが全国で繰り返し再使用されている。

 ガラスびんの主原料は、珪砂、ソーダ灰(炭酸ナトリウム)、石灰石(炭酸カルシウム)、カレット(回収ガラス再生原料)であるが、現在はカレットが75%以上を占めている。カレットを原料として使用することにより、プロセス由来CO2・燃料由来CO2の両方を削減可能であり、カレット使用率76%の場合、カレット使用率0%と比べてCO2排出量は28%削減される。

図6.ガラスびん再生原料カレットの使用率 出典:日本ガラスびん協会

 現在、国内ガラスびん製造業のCO2排出量の約9%が原料由来(プロセス由来)であり、燃料由来は約67%(うち、8割がガラスの溶融炉)となっている。排出量取引制度の対象となる事業者は、2社・5工場と報告されている。

 また、ガラスびんはリサイクルすることを前提としているため、国内外でほぼ共通の原料および製造工程を採用している。このため、ガラスびんの製造工程及び同一工場内におけるガラスびん製造に関連する工程全体が各社共通で比較可能な工程であるとして、これら全体をベンチマークの対象範囲とする。

図7.ガラスびん ベンチマークの対象範囲 出典:製造業ベンチマークWG

 また、ベンチマーク指標に用いる「活動量」としては、出荷されるガラスびんの製造量(重量)を採用する。

 以上より、ガラスびん製造業のベンチマーク指標及び排出枠割当量の算定式は、

として、基準活動量は2023〜2025年度におけるガラスびんの平均生産量とする。

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