蓄電池や再エネなどの分散型エネルギーリソースの拡大が進む一方で、セキュリティや持続可能なビジネスモデルの確立など、新たな課題も顕在化している。資源エネルギー庁ではこうした分散型エネルギーの現状把握や課題解決に向け、新たなワーキンググループを立ち上げた。
再エネの主力電源化に向けては、安全性及び安定供給を大前提として、供給力や調整力等も含めた電力システム全体でのコスト抑制が求められる。
変動性再エネ電源は、LCOE(均等化発電原価)は安価であるものの、再エネ導入比率が高まるにつれて、いわゆる「統合コスト」が増加することが課題とされている。この解決策の一つとして、デマンドレスポンス(DR)や蓄電池等を活用することにより、統合コストを抑制可能であることが報告されている。
国はこれまでも、さまざまな需要側リソースや系統用蓄電池等の分散型エネルギーリソース(DER)の活用に向けた施策を講じてきたが、DERの導入が進むにつれて、サイバーセキュリティの確保やビジネスモデルの確立などの課題も顕在化してきた。
このため、DERの現状や課題を把握し、DERの導入施策を検討するため、資源エネルギー庁では新たに「分散型エネルギー推進戦略ワーキンググループ(WG)」を設置し、電力システムの社会コスト最適化の観点で、どのようなリソース配分が最適かという点も含めた総合的な検討を開始した。
需要側DERの一つとして今後の導入拡大が期待されるリソースが、家庭用や業務・産業用の蓄電池(蓄電システム)である。蓄電池の活用により、供給力や調整力の供出以外にもデマンド抑制や太陽光発電の自家消費等を含む実質的な収益を得ることが可能となるが、蓄電池の自立化には、これらの収益が蓄電池導入コストを上回ることが重要となる。
現在国は、蓄電システムの費用回収可能な水準として、家庭用では7万円/kWh、業務・産業用では6万円/kWhを2030年度の目標価格(工事費込み)として設定しており、実勢価格も順調に低減していることが報告されている。
また蓄電池のほかに、家庭においてDRを実施可能なリソースとしては、エアコン等の家電製品や、給湯機(エコキュート、ハイブリッド給湯機、エネファーム)がある。「空調」や「給湯」といったこれら機器の本来用途を損なうことなく、DRを効率的に実施するためには、メーカー各社が生産する機器に、あらかじめ一定の共通要件を定めておくことが有効である。
このため資源エネルギー庁では、通信接続機能や外部制御機能、セキュリティ等から構成される「DR ready要件」の策定を機器タイプごとに進めている。
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