3.価値観がはっきりしていないのでやることの優先順位づけがうまくできないことがある
「やるべきことすべてを書き出してすっきりした」あとでも、やるべきことが多すぎてうまく優先順位がつけられないことがあります。そのときは自分の価値観や目標が1つの判断基準になりますが、その価値観や目標がうまく見つけられていない人が多いのは事実です。
お勧めは「長期的な目標が見つからない場合、見つかるまで期間を短くしてみる」ことです。生涯の目標を見つけられない人でも5年後の目標なら見つけやすいでしょう。それが見つけられないなら3年後でもいいですし、今年中の目標でも、極端にいえば今月の目標でもいいのです。
重要なのは「目標は正しいか正しくないかではなくて、ないよりはあったほうがいい」ということです。
実践しているのは「check*pad」のモーニングメールで目標を送ってもらうことです。このメールは毎朝届くものですが、そこには「長期的な目標」「今月の目標」が書かれています。これを毎朝見ていれば「今日やるべきことで目標の達成に貢献しそうなものはどれか?」と作業の優先順位を決めていくことができるようになります。
4.ToDoを細分化していくと「そもそも何のためにこれをやっていたのか」が見えづらくなる
プロジェクトリストに載るようなToDoは、すぐに片付くようなものではないため、細かいタスクに落としていくことが必要になります。そうなるとタスクを細分化したあとに「これってどのプロジェクトのToDoだったっけ?」とわからなくなることがあります。
これは次のような方法で解決できます。
(I)次に続くToDoを書かない
たとえばちょっと大きな「A」というタスクがあって、それを(a)(b)(c)という細かいタスクに分けたとします。そうしたときに作業が(a)→(b)→(c)と流れる場合、(b)と(c)はToDoリストに入れないようにします。それは(a)が終わったら次に(b)をやることが自明な場合が多いからです。大事なのはリストからToDoの数を減らし、ストレスを軽減させることです。
(II) ToDoのうしろに括弧つきでプロジェクト名を記載する
これは細分化したタスクのうしろに括弧つきでプロジェクト名を書いておく方法です。「A社に提案書を書く」といったプロジェクトを細分化した場合、「○○さんにA社の営業状況について電話する(A社提案書)」「提案書用の資料を集めるように部下に指示する(A社提案書)」といった具合に書いていきます。こうすることによって、どのプロジェクトのToDoなのかがはっきりするようになります。
どちらの方法でもかまいませんが、自分にとってストレスを感じない方法を使ってみるとよいでしょう。
5.気付いたことをすぐメモするようになったが、メモをすぐなくしてしまう
GTDにおいて「思いついたことをすぐにメモして頭の中を常にすっきりさせておく」ことはとても重要です。しかしメモしたものをなくしていてはストレスフリーにはなれません。個々人の生活にもよりますが、デジタルとアナログ双方で「最終的にはここにまとめる」というツールを持っておくといいでしょう。
自分の場合、アナログのメモはすべて3色フォルダー(7月28日の記事参照)に入れておくようにしてありますし、デジタルツールではcheck*padに入れるようにしています。「なくしやすいものは収納場所が決まっていないから」なのです。自分だけのアイディアの収納場所をまとめるように工夫しましょう。
GTD実践において問題になった主な点は以上でした。他にも細かい問題がありましたが、GTDは「多少問題があっても週次レビューをやっていればなんとかなる」システムです。完璧にこなそうとせずに、週次レビューをとにかく続けることをアドバイスさせていただきました。
今回の徹底研究会は実験的に2回に分けて実施しましたが、GTDは習慣として定着することが重要なので、とても効果的に開催できたと思います。またGTDを続けたい人のための研究会を行っていきますが、今後も2回シリーズで実施していきたいと思います。
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