7分で分かる4月のBlog界dev blog/CMS(3/3 ページ)

» 2005年05月05日 12時41分 公開
[森川拓男,ITmedia]
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スパム対処でTypeKey追加の動きも

 特定の相手にだけ読ませるプライベート日記サービスがある。普通のBlogサービスは世界中に公開されてしまうが、ユーザーIDを持っている特定ユーザーにだけ読むことが可能になるものだ。会員でないと閲覧不可能、という意味ではソーシャルネットワークもそうだが、招待制で誰もが会員になれないという意味では敷居が高い。

 「DI:DO」は有料ではあるが、他のBlogサービス同様、招待されることなく誰もが会員になることができる。そしてその中の機能で、ユーザーがあらかじめ登録したDI:DOユーザーにしか閲覧できなくなる「ひみつ日記(ひみつトピック)」があるのだ。そのひみつ日記への追加機能として4月15日、登録可能なユーザーにシックス・アパートのTypeKeyアカウントによる認証指定も可能になった(4月19日既報)。見せるユーザーを制限しながら、広げることができるというのは新しく、今後の動きに期待だ。

269g、共有ブログを追加

 Blogというのは、1人で書くものと思いがちだが必ずしもそうではない。家族やグループなど、複数人で1つのBlogを運用するケースもある。このようなBlogを共有Blogとも言うが、徐々に対応するBlogサービスも増えてきている。

 4月7日には「269g」が「共有ブログ機能」に対応した(4月8日既報)。同時にMovable Type形式データのインポート/エクスポート機能も追加され、Blog利用の幅が広がっている。

アフィリエイト機能の強化

 最近のアフィリエイトには大きく分けて2つの流れがある。

 まず、ECサイト・アフィリエイト提供会社側が提供するもので、WebサイトやBlogなど、自由に参加することができるもの。もう1つは、Blogサービスやポータルサイト独自のアフィリエイトで、特定のサービス内だけで利用できたり、逆にそのサービス内ではこのアフィリエイトのみと利用を制限される場合があるもの。前者はAmazonアソシエイトなどで、後者が楽天アフィリエイトやlivedoor デパートなどだろうか。それぞれに利点と欠点があり、一概にどちらがいいとはいえないが、自分が利用するBlogサービスと照らし合わせるのがよいだろう。

 「livedoor Blog」は4月25日、Blog投稿フォームへの「livedoor デパート」リンクを追加した(4月26日既報)。投稿フォームからlivedoor デパートの商品が簡単に追加可能にして、同社内におけるアフィリエイト利用の促進を狙ったものだ。

 無料でBlogサービスを提供するにあたり、アフィリエイトが自社内で循環することは、非常に効率がよい。そこで今後は、このような独自アフィリエイトサービスとの連携が強まっていくのではないだろうか。ほかのサービスの動きとあわせて注目したいところだ。

ケータイ対応、さらに進む

 もはや「電話」とは呼べなくなったほど、電話としての音声通話機能以外が発達してきたケータイ。インターネット端末としても使われる需要が増え、Blogサービスもケータイに対応することが急務となってきている。閲覧のみならず、写真や動画などが撮影可能なケータイが増えたことで、ケータイからのBlog更新の需要も増加しているのだ。

 その中でファッション指向な発信、交流するためのBlogサービス「ブログ通信」は4月4日、Blogのケータイ閲覧への対応表明を行っている(4月5日既報)。ただし、ケータイによるBlog投稿の追加と編集についてはまだ未対応であり、後日、対応予定としている。

 4月28日には、「ブログ人」は、FOMA 900i/901iシリーズの一部のケータイモデルで、iアプリを介した「ケータイブログ人」サービス実験を開始している(5月2日既報)。こちらは利用可能なケータイの機種が限定されるものの、記事の投稿なども可能だ。

企業と個人Blogサイトが業務提携

 この春は、ライブドアのニッポン放送買収問題で、企業の業務提携という話題が盛り上がった。業務提携は、それぞれの企業がお互いに足りないところを補足し合い、お互いに発展していくことを期待して行われる。

 最近は企業におけるBlog利用が進んでいるが、その中で個人Blogサイトと企業が戦略的な業務提携を行うと発表され、話題になった(4月19日既報)。特定の話題に長けたユーザーのBlogが出版される例はこれまでもあったが、今回はBlogをきっかけにして企業と個人が業務提携したのだ。個人の知識などが商品として利用できると企業が判断したわけだが、そのきっかけが個人のBlogサイトであったということが興味深い。今後も、そのような形の提携が増えていく可能性があるかもしれない。

BlogをFlashで?

 Blogは、システムにPHPやPerl言語などを利用して最終的にはHTML形式で表示される。基本がテキストだから当然ではあるが、最近は画像や動画などを掲載するケースも増加してインタラクティブな表現を求める動きがあるようだ。

 モバイル関連のソリューションを提供するディーエムエルが4月11日に発表したのは、BlogをFlashで構築可能な「FlashBlogソリューション」の提供だ(4月12日既報)。「FlashBlog」(フラッシュブログ)とは、Blogを従来のHTMLではなくFlash表示できるようにしたもので、トラックバックやコメント機能、コンテンツ更新情報のRSS配信など、Flashコンテンツでありながら通常のBlog機能の利用が可能という。

Blogアクセサリー掲示板「chobi」登場

 Blogに貼り付けられるBlogアクセサリー(Blogパーツ)が花盛りだ。各Blogサービスも、それぞれのサービスでのみ利用できるものだけでなく、他のサービスでも利用可能なアクセサリを提供するようになってきた。その種類も、ただ表示させる本当の「アクセサリー」から、インタラクティブな機能を追加するものまで、さまざまだ。

 「チャンネル北国tv」を運営している「北国からの贈り物」は4月28日、Blogのサイドバーなどへ気軽に「ちょびっと」貼って楽しく使える、貼付型Blogパーツ掲示板「chobi」(ちょび)をテストリリースした。チャンネル北国tv以外のBlogなどで利用することも可能。なお、「chobi」は5月2日には、正式リリースされている(5月2日既報)。個人情報を出すことなく簡単に利用できるので、気軽に設置できるのが特徴だ。

Blogに組み込めるRSSリーダー登場

 最近では、企業なども積極的にRSSに取り組み、独自のRSSリーダーやRSSリーダー機能が組み込まれたツールバーなどを提供するようになってきた。Webブラウザ上から利用できるRSSリーダーも、様々なサービスが提供されている。4月22日には、GMOグループが提供しているRSSリーダー利用者は約50万人となったと発表(4月25日既報)するなど、利用者は増加傾向にあり、情報提供ツールとしてのRSSへの注目度が上がっているのは事実だ。

 そんなRSSリーダーに、新型が出現した。「JUGEM」や「ロリポブログ」を提供しているGMOグループのpaperboy&co.は4月25日、WebサイトやBlogに簡単に設置できるティッカー(電光掲示板)型のRSSリーダー「PAIPO TICKER」のベータ版公開を開始したのだ(4月27日既報)。利用するには、同社が提供する無料のブラウザ型RSSリーダー「PAIPO READER」の利用登録が必要で、その設定をそのままBlog上で表示できるというもの。いわば自分のBlogをRSSリーダーにもしてしまおうというサービス。今後の正式サービス開始に向けて、注目していきたい。

 同じくBlogに設置できるが「信州FM」内と利用が限られるRSSリーダー「信州FMリーダー」は、4月8日にAtomフォーマット対応を発表した(4月11日既報)

 類似するサービスでは「ブログ人」が4月19日に提供を開始した、ユーザーのサイドバーに貼り付けるツール「コレヨモforキーワード」も、気になるキーワードに対する最新記事をBlogのサイドバーでリアルタイム表示できる(4月20日既報)。これも一種のRSSリーダーとも捉えられるが、表示されるBlogがブログ人に限られるなど、「汎用」RSSリーダーとしては機能不足感が否めない。

 また、RSSについては4月25日に報じたように、ネットエイジグループが同社の投資事業会社であるネットエイジキャピタルパートナーズを通じて、「RSS広告社」と「ブログエンジン」の2社設立を発表するなど、RSSコンテンツマッチ広告(4月5日既報)に対する新しい動きも始まっている。

 さらに4月28日にはSeesaaブログで「RSSラジオ」という新しい試みも始まっている(関連リンク)。通常のポッドキャスティングよりもさらに手軽にネットラジオを楽しむことができるもので、Seesaaブログ以外でも利用可能。事前に登録されたRSS情報を元にネットラジオ局の番組を再生、複数のRSSを同時に登録可能なので、常に新しい放送を自動的に楽しめるのが特徴という。

カスタマイズ性向上のa-Blog v1.2リリース

 最後に、Blogツールについても振り返ろう。

 アップルップルのBlogツール「a-Blog」は、4月1日に v1.2をリリースした(4月4日既報)。今回のバージョンアップでは、インストール、各種管理、その他機能の大幅改良がなされている。

 また、4月26日には国内最大のソフトウェア登録数を誇るソフトウェアダウンロードサイト「Vector」が、Movable Typeライセンスパックの取り扱いを開始した(関連リンク)。これにより、手軽にMovable Typeが入手可能となるので、レンタルサーバなどを利用した利用拡大が見込まれるかもしれない。

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