連載
» 2011年06月01日 12時00分 公開

挑戦者たちの履歴書(119):奥さまは社員第一号

編集部から:本連載では、IT業界にさまざまな形で携わる魅力的な人物を1人ずつ取り上げ、本人の口から直接語られたいままでのターニングポイントを何回かに分けて紹介していく。前回までは、田中氏がさくらインターネットの社長に就任するまでを取り上げた。初めて読む方は、ぜひ最初から読み直してほしい。

[吉村哲樹,@IT]

 若干18歳、高専4年生のときに、わずかサーバ2台でさくらインターネットを立ち上げて以来、現在に至るまでずっと会社の成長とともに歩んできた田中氏。同氏の半生イコール、さくらインターネットの社史といっても良いほどだが、では仕事を離れたときの同氏はどのような時間の過ごし方をしているのだろうか?

 「電車やバスなどの乗り物に乗って旅行に行くのが好きですね。嫁も乗り物が好きで、しかもお互い車の免許を持っていないものですから、夫婦で電車やバスの旅行によく出掛けます」

 2010年10月には奥さんと2人で、寝台特急カシオペアに乗って北海道旅行に出掛けたという。豪華スイートの客室でくつろぎながら札幌まで行き、そこからはバスで石狩や稚内などを回った。さらにその翌月には、沖縄に夫婦で出掛けた。那覇からバスに揺られ、沖縄本島の観光スポットを数々巡った。

 「僕は温泉が好きなので、温泉にもよく行きますね。つい先日は、奥多摩のさらに奥にある温泉地まで、奥多摩駅からバスで1時間ぐらいかけて行きました」

 ベンチャー企業の若手経営者というと、ややもすると「仕事一筋!」というステレオタイプのイメージを抱きがちだが、田中氏はプライベートでの息抜きもしっかり欠かさないようだ。ちなみに、奥さんとはどのような経緯で知り合ったのだろうか?

 「嫁は、さくらインターネットの第一号社員なんです」

 何と、これは意外というか何というか……。創業社長と第一号社員の夫婦とは。

 「1999年に会社を設立した後に、初めて入ってきた社員2人の内の1人だったんです。もともと入社してくる前から、知り合いではあったんですけどね」

 当時、田中氏と一緒に会社を設立した菅氏(田中氏の高専時代の後輩)の友人が大阪・梅田のゲームショップで働いており、田中氏も時々遊びに行っていた。そのショップで、田中氏の将来の奥さんも働いていたのだ。

 その後、そのゲームショップの経営が傾いてきたとき、『じゃあ、ちょうどうちで求人しているから来ないか』と誘ったところ、2人そろってさくらインターネット初の社員として入ってきたというのが経緯だ。

 ちなみに、奥さんは現在もさくらインターネットの社員として働いているという。夫婦で同じ会社に、しかも社長と社員として働いていることに、違和感はないのだろうか?

 「まったくないですねえ。嫁は役職も付いていない、普通の一般社員ですから、家で仕事に関して突っ込んだ話をするわけでもないですし」

 なるほど。ちなみに、夫婦でお酒を飲んだりすることはあるのだろうか?

 「そうですね、嫁はそんなに多くは飲まないですけど、僕は土日に一緒に旅行に行ったときなどには、昼間から飲みますね」

 ということは、かなりお酒は好きな方?

 「もう、めちゃめちゃ飲みますね! お酒の種類にはあまりこだわらず何でも飲みますが、泡盛なんかも好きですね。家では、泡盛を樽に漬けていますし。ビールも好きですけど、最近ちょっと太り気味なので控えています」

 一見すると柔和で生真面目な印象を受ける田中氏だが、その実かなりの酒豪のようだ。酔うと、一気にキャラクターが変わってしまったりするのだろうか?

 「昔は結構酔っぱらって荒れたこともありましたけど、最近はそうならないようにお酒の量も控え気味にしています。荒れたときのことは、自分でもよく覚えてないんですよね! あと、僕は弱いくせにけんか早いので、酔っぱらって電車の中で他の酔客とけんかになったこともありましたね。今ではもうそういうことはさすがにありませんけど、でも酔っぱらったら電車を使わずにタクシーで帰るようにはしてます」

 笑いながらこう話す田中氏の柔和な印象が、酔うと果たしてどのように変ぼうするのだろうか? ほんのちょっとだけ見てみたい気もする。


 この続きは、6月3日(金)に掲載予定です。お楽しみに!

著者紹介

▼著者名 吉村 哲樹(よしむら てつき)

早稲田大学政治経済学部卒業後、メーカー系システムインテグレーターにてソフトウェア開発に従事。

その後、外資系ソフトウェアベンダでコンサルタント、IT系Webメディアで編集者を務めた後、現在はフリーライターとして活動中。


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