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» 2016年11月01日 19時13分 UPDATE

ボタン1つで好みの音楽が流れ出す――ボーズの「SoundTouch」が「Spotify」と連携

ボーズは、ネットワークスピーカー「BOSE SoundTouch 10/20/30」に、音楽配信サービス「Spotify」(スポティファイ)との連携機能を追加する。Spotifyとの共同開発により、サービスと製品をシームレスにつないだ。

[芹澤隆徳,ITmedia]

 ボーズは11月1日、ネットワークスピーカー「BOSE SoundTouch 10/20/30」に、音楽配信サービス「Spotify」(スポティファイ)との連携機能を追加すると発表した。2014年に誕生したSoundTouchシリーズ現行モデルが3世代目にあたるが、初代機からアップグレードが可能だ。同社マーケティング本部の橋本理智氏は、「音楽メディアのデジタル化が進み、リスニングスタイルは変化している。オーディオ製品もいち早く対応して付加価値を与えなければならない」と話している。

左から「BOSE SoundTouch 10」「BOSE SoundTouch 20」「BOSE SoundTouch 30」
ボーズの橋本氏。2015年の世界のメディア別音楽売上では、ダウンロード配信やストリーミングサービスを合わせた「デジタルミュージック」が全体の43%を占め、初めてCDなど物理メディアを上回ったという

 ボーズとSpotifyの共同開発により、サービスと製品をシームレスにつないだ。具体的には、Spotifyの専用アプリからSoundTouchスピーカーを操作できるほか、逆にボーズのアプリ「SoundTouch app」からSpotifyの楽曲やアルバム、アーティスト、プレイリストを素早く検索して再生できる。2つのアプリは相互に同期しているため、アプリを切り替えても中断した時点から操作を再開できるという。

SoundTouchの新機能を解説するボーズ、プロダクトマネジメント部担当部長の中山健太郎氏

 中でも注目は、SoundTouch appの「プレイリストジェネレーター」機能だろう。ユーザーは音楽ジャンルとその時の気分(楽曲のテンポ)、曲数を指示するだけでプレイリストが作られる。Spotifyといえば、ビッグデータ解析をはじめ、音楽の属性やユーザーの視聴履歴なども参照する「独自の複雑なアルゴリズムで“ずばりオススメ”するプレイリスト」(スポティファイジャパンの玉木一郎社長)で支持を集めているサービスだ。SoundTouchシリーズであれば、それを手軽に活用できるという。

「プレイリストジェネレーター」機能では音楽ジャンルなどを指定するだけでオススメのプレイリストが利用できる

 お気に入りのプレイリストを登録しておき、ワンタッチで呼び出せる機能もある。SoundTouchシリーズは、本体の上部にお気に入りの楽曲やインターネットラジオ局などを登録できる6つの「プリセットボタン」を備えているが、ここにSpotifyのプレイリストを割り当て、「スマホなしでも好みの楽曲が再生できる」という仕組み。登録作業もSoundTouch app上でプレイリストをドラッグ&ドロップするだけで済む。

天面のプリセットボタン

 Spotifyの楽曲を家中で楽しむこともできる。Spotifyは“1アカウント1デバイス”が基本のため、通常は2つ以上のデバイスで同時に利用することはできない。しかしSoundTouchシリーズのマルチルーム再生機能は例外。SoundTouch appで「一斉再生」を指示すると、家の中にあるSoundTouchシリーズが同じ楽曲を同時に再生する。

家中で同時にSpotifyの楽曲を楽しめる

 なお、これらの機能を使うためには、月額980円の「Spotify Premium」プランに加入する必要がある。無料の「Spotify free」の場合、Bluetoothあるいはアナログ接続によってSoundTouchシリーズを外部スピーカーとして利用することはできる。

ビジョンを共有しているから一緒にやる

スポティファイジャパンの玉木一郎社長

 ボーズと協業した理由について、Spotifyの玉木社長は、音楽産業全体が抱えている“悩み”を挙げた。それは音楽好きの人は多いものの、スマートフォンなどで音楽を聴くモバイルユーザーが多いことだ。玉木氏は、「モバイルユーザーの視聴環境はヘッドフォンやイヤフォンが中心で、空気を揺らすような音の体験はあまりしていない。一方でホームオーディオユーザーはどうしても自分のCDライブラリ(=購入した高音質音源)に偏りがちだ」と指摘する。「モバイルユーザーにも良い音を楽しんでほしい。一方のホームオーディオユーザーには、ストリーミングであることをあまり意識せず、新しい音楽との出会いの場を活用してほしい」

 今回の発表でボーズとSpotifyは、モバイルユーザーが親しんでいる“簡単さ”をホームオーディオに持ち込み、ボタン1つで“Spotifyの世界”を体験できるようにした。「ネット接続を意識せず、ストリーミングをより良い音で楽しめる。オーディオのIoT化こそが解決策だ。これを追求することが音楽ファンを育てるカギになると思う」(同氏)

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