ITmedia NEWS >

2人のオーディオ評論家がレコードレーベルを立ち上げ 「最高の音楽を最上の音質で」

» 2017年12月12日 16時30分 公開
[ITmedia]

 オーディオ評論家の麻倉怜士氏と潮晴男氏が新しいレコードレーベル「Ultra Art Record」(ウルトラアートレコード)を立ち上げた。「最高の音楽を最上の音質で」をコンセプトにオーディオ機器のチェックにも使用できる音質を目指す。第1弾はUHQCDのオールディーズジャズタイトル「情家みえ・エトレーヌ」。12月12日からAmazonで予約を開始している。

「情家みえ・エトレーヌ」

 30年以上にわたる評論家生活において高音質音源の重要性を痛感していたという両氏が、これまでに培った経験や知識、ノウハウを駆使して最高のクオリティーを目指した。「深いアルトの声に載せて一音一音を叙情的に、丁寧につむぐ情家みえの情感を高音質で残したいという思いと、オーディオ評論家としてオリジナルの音を知悉(ちしつ)している音源を持つことが絶対に必要という思いからレーベルを作った」(麻倉氏)という。

レコーディング風景
アナログレコード制作用のテープレコーダーは、スチューダー「A-800」。2インチ、76センチ/秒のマルチトラック録音とした

 制作方針は、手直し編集なしのワンテイク一発録音、圧縮なしのピュア録音。媒体は一般的なCDプレーヤーでも再生できるUHQCDとアナログレコード、ハイレゾ音源と多彩だ。

 第1回タイトルとなるエトレーヌ(フランス語で『贈り物』の意味)は、歌手の情家みえ氏が、山本剛氏、後藤浩二氏という日本を代表するピアニストのバンドと協演したもの。「情家みえとピアニスト、山本剛とのライブ演奏を東京・南青山にあるボディ&ソウルで聞き、情感豊かな歌手であることに感銘を受けました。その時から抱いていた『彼女の歌心を引き出すアルバムを作りたい』という願いが結実したのが本作」(潮氏)

 麻倉氏と潮氏はプロデューサーとして参画。アルバムの前半と後半で担当分けを行い、違ったテイストで収録したという。今後リリース予定のアナログレコードではA/B面に振り分ける予定だ。

レコーディング後の記念撮影。左から潮晴男氏(プロデュース)、香川裕史氏(ベース)、山本剛氏(ピアノ)、大隅寿男氏(ドラム)、麻倉怜士氏(プロデュース)。前中央が情家みえ氏(ボーカル)

 UHQCD版の価格は2778円(税別)で、2018年1月17日に発売予定。準備が整い次第、ハイレゾ音源(リニアPCM 192kHz/24bitおよびDSD 11.2MHz)、Blu-ray Discオーディオ(192kHz/24bit)、アナログレコードを順次発売する予定だ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.