TH55はジョグダイヤルを備えてはいるが、使い勝手はペン操作重視の方向だ。画面右端には常に(一部の機能実行時を除く)他の機能に1タップでアクセスできるタブが表示され、使いたい機能に容易にアクセスできる。ジョグダイヤル操作でも他機能にアクセスできるが、この場合には最低でもBACKキー、ジョグ操作、決定キーの3ステップが必要になる。なお「NX」シリーズなどでおなじみのランチャーも使えるので、ジョグ操作中心ならランチャーに設定しておくという手もある。
そしてTH55最大の注目点となるのが「CLIE Organaizer」。内蔵フォントを使ったテキスト入力だけでなく、フリーハンドの手書き文字やシールアイコン、内蔵カメラで撮影した画像、音声データなどを貼り付けて情報を管理できるようにする機能だ。
静止画や音声データなどの各種情報は、画面の下部に一覧表示され、ペン操作で任意の場所にドラッグ&ドロップして貼り付ける仕組み。貼り付けられるのはサムネイルだが、クリックすればオリジナル画像を表示できるため、直感的に情報にたどりつける。
同じく初搭載となったのが一番右のアプリボタンに割り当てられた「データ活用」機能。表示している文字情報を範囲指定し、「データ活用」ボタンを押すと、範囲指定した文字列から情報の検索を行ったり、PIM情報として登録できる。コピー&ペーストを使えばできることではあるが、このほうがずっと直感的で分かりやすい。スタイラス操作のメリットを引き出した機能といえるだろう。
多くのPDAがそうであるように、CLIEシリーズでもアドレス帳、スケジューラなどPIMの基本機能はOS標準の機能がそのまま使われてきた。TH55ではこの部分にもメスが入り、独自の拡張が加えられた。
アドレス帳は画像登録が可能になり、画像付きアドレスの一覧でも6件ずつの表示が可能になった。従来通りの表示も可能で、機能を使わないユーザーにもデメリットがない。
予定表はさまざまなデータの一元管理が可能になった。例えば月単位一覧では静止画撮影、手書きメモを作成した日にはマークが表示され、関連情報の検索が容易になった。こうした管理方法は携帯電話などでも採用が増えつつあり、便利に使える機能だ。
CLIE Organaizerで作成した情報はPCとの連携も可能だ。付属のPC用ソフト「CLIE Organizer for PC」を使えば、HotSyncするだけでアドレス帳に登録された画像や手書きメモなどもPCと同期できる。「Palm DeskTop」に対しては上位互換で共存する仕組みになっており、PC上でのデータも共用される。既存のCLIEユーザーでも困ることはないだろう。
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