2026年のLeicaのスマートフォンはシャープではなくXiaomiから登場することになった。普段からデジタル・フィルムのLeicaを使い、スマホカメラとしてはXiaomiを利用する筆者からするとまさに理想の組み合わせである。
機会に恵まれて「Leitzphone powered by Xiaomi」(以降、Leitzphone)を数日間お借りして旅に持ち出したが、結論からいうと、今まで触ったどのスマートフォンのカメラよりも興奮し、満足する一台であった。
こすれた表現かもしれないが、もはやスマホではなくカメラであると思えた。それも、画質はもちろん撮影体験も含めて「スマホの割にやるじゃないか」ではなく、純粋に日常を彩る名脇役なカメラとしてほしいと思える一台として仕上がっている。Leicaユーザー目線で何が刺さったのかという点にフォーカスしてレビューしていく。
数日間の利用で最も筆者を引きつけたのがLeitzphone独自機能であるLeica Essentialだ。Leitzphoneの一機能で、名機と名高いLeica M3、M9の2種類のカメラの写りを再現したモードだ。
Leica M3モードはいわゆるモノクロ写真が撮れる1950年代のフィルムカメラ時代を再現したモードだ。Leica M3はただのカメラで、写りを規定するレンズとフィルムとは全く関係なく、フィルムLeicaファンからすると「M3の写りってなんだ?」と素直に疑問になるが、どうやらM3モードは正確には2025年Leicaから登場した「Monopan50」というフィルムの写りを再現したものらしい。
自分はあまりモノクロ写真を撮らないが、たまに使ってみると決まるシーンが多くて驚いた。特に光の陰影に注目してほしいような場面でとてもよく、積極的に使いたいと思えた。
ハイコントラストで目がチカチカするようなモノクロ写真になりがちなスマホのモノクロモードに対して、LeitzphoneのM3モードではアンダーで撮ったときのシャドーの深みとハイライトに至る階調の豊かさを感じる。
一方で、フィルム写真特有のグレイン感、つまり粒っぽい感じの写りはそこまで強くないと感じた。参考にLeica M4にT-MAX 100を詰めて撮った写真を掲載するが、グレイン感が弱いT-MAXでも見ての通りシャドーにグレインが乗るのがフィルムの特徴だ。それと比べるとどうしてもまだ現代っぽい雰囲気を感じてしまう。
なお、Monopan 50は、2025年夏の発売日に即完売し、現在に至るまで在庫がなく入手困難で直接比較できなかった。
そもそもM3モードを称するなら現代フィルムのMonopan 50ではなくて昔のT-MAXとかTri-Xとかなのでは……という気もするが、そこまで求めるのはカメラオタクの悪いところかもしれない。とはいえ、フィルムらしい粒状感を再現したモードも欲しいところだ。
もう1つの機能であるM9モードは、デジタルカメラとなって初のフルサイズセンサーを搭載したLeica M9の写りを再現したモードで、その特徴はCCDセンサー特有のこってりとした絵作りだ。
現代カメラのほとんどは、より安価で処理が速く消費電力も少ないCMOSセンサーを備えているが、一昔前はその正反対の特徴を持つものの、CMOSより高画質に撮れるCCDセンサーが主流だった。筆者はCCDのLeicaは使ったことがないが、CCDカメラを備えるソニー「Cybershot」を持っており、確かに古いカメラながら鮮やかでこってりと写る……ような気がしている。M9モードではそんなCCDらしい写真を再現しているらしい。
加えて、M9モードではホワイトバランスをデイライトで固定しており、屋内外で色味が暴れるじゃじゃ馬な写りをする。
例えば室内で撮影すると、大体色温度が思ったよりも高くなる。普通のカメラだと面積の多い壁の白に合わせてホワイトバランスを調整するが、M9モードではそんなのお構いなしだ。
扱いは難しいが、上の写真の場合は畳の色味が健康的で、外の光が入りこむ左側の壁や石油ストーブが極めて自然に写った。何気ないデジタル感満載の一枚でもM9モードだと古民家のぬくもり空間が伝わる。
雨の日なんて最高だ。M9モードは古いレンズを再現しているのかハイライトとその縁がにじむようになっており、それゆえにしっとりとした空気感をよく写してくれる。粘りのある色の感じと背景のにじんだ眠い感じとのコントラストで印象的な一枚になった。
CMOSセンサー搭載の最新機種ではあるが、M11との比較ではしっとり感が近くてGoodだと感じた。とはいえ、Leitzphoneはデジタル処理が強くてシャープネス補正が強すぎる印象を受けた。特に顔のあたりは解像度が悪化しているように感じる。
さすがにフルサイズセンサーの方が空気感をよく伝えていると思うが、5倍以上の価格差を考えると仕方がない部分もあるだろう。
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