メガピクセルWIN端末「W21H」の真実(1/2 ページ)

» 2004年03月01日 03時39分 公開
[斎藤健二,ITmedia]

 普通のユーザーが素直に「1X WINってスゴイ」と感じられる携帯が出る──。日立製作所製の「W21H」だ(2月16日の記事参照)。

 KDDIのパケット定額制サービス「EZフラット」対応音声端末(2003年10月の記事参照)としては3機種目にあたり、1X WIN端末初のメガピクセルカメラ搭載。最大の特徴は、メガピクセルカメラで撮影した画像をメールで思う存分送受信できることだ。

メールとカメラ特化〜普通のユーザーにすごさが分かる

 W21Hの説明はシンプルだ。とにかく「メールとカメラ特化」である。「定額だから、撮ったものがしっかり送れて、カメラの性能をインフラを含めて生かせる」と日立 モバイル端末事業部商品企画部の松長孝徳技師は話す。

 逆に従来の1X WIN端末2機種が対応していた「EZチャンネル」や「ライブカメラ」機能はそぎ落とされた。スタート時の2機種が、“1X WINならではのサービス”の提供を狙ったものならば、W21Hはまさに“1X WINを広める”ための端末だ。ターゲットも「20代前後の女性がコア」(松長氏)とし、前機種「W11H」よりも「柔らかくスリムなデザイン」(同)とすることを狙った。

 ここで1X WINとは何なのか、再度まとめておこう。

ブランド CDMA 1X WIN CDMA 1X
端末 W11H、W11K、W21H A5000、A1000シリーズ
通信方式 CDMA2000 1x EV-DO CDMA2000 1x
パケット定額 可・EZフラット 不可
下り最大速度 2.4Mbps 144Kbps
上り最大速度 144Kbps 64Kbps
添付ファイル容量 最大150Kバイト 最大100Kバイト

 注目すべきはパケット定額プランが用意されていることと(2003年10月の記事参照)、添付ファイル容量が150Kバイトまで拡大されていることだ。メガピクセルカメラで撮影した画像はだいたい150Kバイト程度のサイズ。つまりW21Hは画質を保ったままで、メガピクセル画像を送受信し放題となる。

 開発についてもここがポイントとなった。「過去の(1Xの)機種はメガピクセル画像を送れなかった。150Kバイト使えれば、PCに持っていってもほぼ満足できる画質だ」(松長氏)。

メガピクセル(1280×960ピクセル)モードで撮影するときには、ノーマルモードとメールモードを選択できる(左)。メールモード時はプレビュー画面にメールマークが現れる(中)。そのまま、送信できる150Kバイト以下の画像が添付されたメールが作成できる(右)

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天野喜孝氏の新キャラクター「N.Y. SALAD」

 「天野さんのタッチはどちらかというとミステリアスなところがありますよね。そういった路線とは違ったキャラクターを書きためていたらしいんですよ。ニューヨークにいたときに、高級生鮮食品の店で野菜を買ってきて見ていて、書きたいなと思ったそうなんです」

 W21Hのもうひとつの魅力は、壁紙やメニューアイコンなどに、天野喜孝氏の新キャラクター「N.Y. SALAD」が採用されていることだ。

 野菜をモチーフとした、可愛い癒し系のキャラクターは、ディズニーなどの有名キャラクターとも違う、新鮮さを感じさせる。柔らかい印象のW21Hにベストマッチだ。

 4枚の壁紙だけでなく、ダウンロード可能なメニューアイコンにも「N.Y. SALAD」のキャラクターを採用。「メニューの配置も天野さんの意向が反映されています。『トマトはこちらに置いた方がいい』とか言われまして。思い入れがあるんです」

 「新しいアイコンメニューもどんどん提供できるだろうし、天野さんもそのために絵を描くとおっしゃっているので、期待して待っていてほしい」

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