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» 2004年04月16日 22時45分 UPDATE

状況に応じてIP電話か携帯か選んで着信――富士通研のシステム

同じ番号にかけても、状況に応じて着信先は変わる。こんなシステムが登場間近だ。たとえば相手が机の前にいる場合は、最も近い位置にある内線電話に。屋外にいるときは、携帯電話につながる。

[ITmedia]

 富士通研究所は4月16日、着信側の場所に応じて適切な手段で電話連絡がとれる「ユビキタスIP電話システム」を開発したと発表した。発信側がかける番号は同じでも、相手が屋内にいる際は卓上電話端末に着信し、屋外にいる場合は携帯電話に着信する。主に企業での導入を想定しており、2004年中に製品化を予定している。

Photo システム構成図(クリックで拡大)

 同社は以前から、ユーザーの状態(プレゼンス)を管理するサービス基盤である「FLAIRINC」(富士通のページ参照)を開発していた。今回、これに「プレゼンスに応じて着信端末を決定するシステム」および「プレゼンス情報をインターネット/イントラネット間でやりとりするゲートウェイ」を組み合わせて、上記のシステム構築を実現した。

IP電話サーバがプレゼンスを参照

 発信側はまず相手に割り当てられた特定の番号をダイヤルする。発信情報を受け取ったIP電話サーバ(IP-PBX)は、いったん“どこに着信させるべきか”をプレゼンス管理サーバに問い合わせる。

 プレゼンス管理サーバには、ユーザー(社員)の状態が保存されており、ユーザーがネットワーク接続しているかしないか、どの位置にいるかなどを把握している。

 プレゼンス管理サーバから返ってきた情報に基づいて、着信先を決定する。相手が社内で机の前にいる場合は、最も近い位置にある内線電話に着信させる。社外でかつ、ネットワーク接続されたユーザーに電話をつなぐ場合は、PDAなどのIPモバイル電話端末に接続する。社外でかつ、ネットワーク接続していないユーザーには携帯電話でつなぐ――といった具合になっている。発信側は、「050番号」にかけるべきか「090番号」にかけるべきかなどを意識する必要がない。

 ユーザーの位置情報の把握には、RFIDタグを使う。「アクティブ型と呼ばれる電池内蔵タイプを用いて、無線で識別情報を発信させる。たとえば、バッジを付けてもらったり、カードを携帯してもらうイメージ。これを社内に設置されたアンテナで受信する」(富士通研究所)。位置情報がとれない場合は、社外にいると判断するわけだ。各ユーザーのプレゼンスは、変化があるたびに動的に通知される。

 社外/社内でプレゼンス情報をやり取りすることもできる。ファイアウォールの内側と外側に「セキュアゲートウェイ」とよばれる専用サーバを用意し、プレゼンスの監視・中継を行う仕組み。このため、企業側でファイアウォールの設定変更などを行う必要がない。

 「位置情報・ネットワーク接続情報のほかにも状況を示す情報はあるかと思うが、これをテキストなりXMLのかたちで伝送する」(富士通研究所)。なお、プレゼンスの通信プロトコルには、この分野の標準規格といわれる、「SIP/SIMPLE」を用いている。

コンシューマ向けは検討中

 従来も、事前の設定に応じて着信先を変更するシステムは存在した。しかし、相手先のプレゼンスを把握した上で、社内・社外を問わず動的に着信先を変えられるシステムはこれが初めてだという。

 コンシューマ向けの利用は「携帯キャリアなどと交渉しなければならない」(富士通研究所)ため、現状では検討段階に留まっている。まずは企業向けとして、通信手段やワークスタイルの多様化による不便さを軽減を目指す。

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