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» 2004年05月24日 23時08分 UPDATE

若い企画担当者を支える“オヤジ技術者”の底力

携帯電話のヘビーユーザーが若者層なこともあってか、端末の企画担当者は20代の若い世代の人が多い。しかし、企画担当の“理想の端末”を生み出すのには、“オヤジ世代”技術者の底力が大きな役割を果たしている。「P252iS」のキラリメールも若手企画担当者とベテラン技術者の協力から生まれた。

[後藤祥子,ITmedia]

 さまざまな端末メーカーに取材に行って思うのが、「企画担当者の年齢が若い」ということだ。多くが20代前半という印象。携帯電話のヘビーユーザーが若者層であるためなのだろう。

 しかし、企画担当者が考える新端末を製品化するには、経験豊富な“ベテラン技術者”の協力が必要不可欠なのだ。パナソニック モバイルコミュニケーションズの「P252iS」(4月26日の記事参照)も、そんな世代間のコラボレーションから生まれた端末だ。

 P252iSのウリとなっている「キラリメール」はまさにその好例。企画を担当した商品企画グループMMI企画チームの“若手企画担当者”、大西恵加氏に、キラリメールが実現するまでの経緯を聞いた。

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 パナソニック モバイルコミュニケーションズ商品企画グループMMI企画チームの大西恵加氏
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 ベテラン技術者の粂信吾氏と野田効司氏

テキストや絵文字では表せない“気持ち”を伝える

 キラリメールは、若者層のメールの使い方が多様化したことから生まれた機能だ。最近では、用件を伝えるのに使うだけではなく“おはよう”や“おやすみ”といった会話の延長で使うことも多い。「あいさつのようなやりとりを毎日していると、文字や絵文字だけでは物足りなくなってくる。言葉だけではない“気持ち”の部分を光で伝えたいというところからの発想」(大西氏)。

 P252iSでは、着信ライトの色を任意の相手に割り当てることもできる。これとキラリメールを組み合わせると、最初に着信相手に割り当てた色のライトが光り、その後にキラリメールが光る。閉じたままでも「誰から、どんな」メールが来たかが分かる仕組みだ。

 「携帯電話のライトは、ほかの機器に比べて進化している。いろいろな色があって、輝度も高く、さまざまな光り方をさせられる。せっかくある機能なのだから、メッセージを伝えられるようなものとして機能化したかった」

1灯のLEDを両面で光らせる

 ただ光らせるのではなく、“どのように光らせるか”にもこだわったと大西氏。光り方は「フラッシュ」「ビーム」「ホタル」の3パターン、色は7色+レインボーの8通りが用意されている。

 ベテラン世代の設計側からは、「シンプルでビカっと光るほうがいいのではないかという意見も出た」(機構設計グループ設計第一チームの主任技師、粂信吾氏)という。当初は背面のライト部分も三角のキリカキのような形を提案したが、最終製品では、丸い小さなホールがいくつも開いたものになっている。ここはまさに異なる世代間の協力によって生まれた部分だ。

 「まっすぐに光を出して単面を光らせるか、全体をシボ加工して薄い乳白色をかけ、面として光らせるかの2つの方法があった。P252iSでは“優しく光らせたい”というのが企画の要望だったので、後者を採用した」(粂氏)。

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 キラリメールは背面が光るだけでなく、内側のディスプレイ面上にあるキラリランプも光る。「“端末が何かを伝える”という感覚」(大西氏)

 もうひとつのこだわりは「背面と内側の両面を光らせたい」(大西氏)というものだ。「閉じた状態だけでなく、メールを読んでいるときも光のメッセージを受け取れるようにしたかったので、1灯のLEDで両面に光を出してほしいとお願いした」(同)。

 そう言われた粂氏は「何言ってるのか、アホかと思った(笑)」そうだが、「背面に出している光を別の部品で反射させ、内側のキラリランプに光を出す」方法で対応した。

 ただし「もう(自分は)“絵文字で気持ちを伝えるという感覚じゃないのかなぁ”というところで、この部分は若い技術者に任せた」と、粂氏は話す。「機能を面白がれる若い技術者の方がいいと考えた」(粂氏)

 「(同世代の技術者は)内容やコンセプトを理解してくれる。分かり合いながら細かい部分まで作り込んでもらえた」(大西氏)

まずは楽しんで使ってほしい

 P252iSが最初の搭載機となったキラリメールは、「使い方が難しいと、使ってもらえない」という考えから、絵文字との組み合わせになったと大西氏。「普通の絵文字メールを書けば使えるので、まずは使ってみてほしい」。

 今は光り方のパターンは絵文字によって決まっているが、どんどん使えば自分なりの光り方のパターンがほしくなるかもしれない。そうしたニーズがあれば、対応も考えたいと話す。「ユーザーは私たちが考えつかないような、ユニークな使い方を思いつく。面白いレスポンスを期待しつつ、キラリメールをもっと使える機能にしていきたい」(大西氏)。

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