キャリア決済適用で、一般Vアプリはどう変わる?:座談会(1/2 ページ)

» 2004年06月04日 22時25分 公開
[斎藤健二,ITmedia]

 ボーダフォンのVアプリには、公式サイトから提供される公式コンテンツのほかに、一般のアプリ作者が開発した「クリエータアプリ」が存在する。これまでは、公式コンテンツ=有料、クリエータアプリ=無料 という、課金面での大きな違いがあった。

 ところがクリエータアプリにもボーダフォンが課金代行サービスを提供するサービスが始まったことで(2月16日の記事参照)、状況が変わりつつある。

 “公式”に頼らない課金サービスの開始は何を引き起こすのか。ボーダフォンでオープンVアプリを担当するプロダクトマネジメント統括部の手島篤司課長代理、Vアプリのキャリア決済サービス「アプリレジ」を運営するスパイシーソフトの小原聖誉副社長、そしてアプリレジで有料ゲームを提供している末広の田中晋社長という、この市場を立ち上げた3人を集め、クリエータアプリの展望を聞いた。

ITmedia アプリレジは既に課金アプリが41本集まったそうですね。現状をどう把握していますか。

小原 スタートからちょうど1カ月たって、課金アプリだけでl万3000本余りが流通しました。「アプリゲットV!」では1日約2万ダウンロードありますので、全体の約2%くらいが課金アプリです。

 まずはテストとして始めたのですが、1カ月経って見えてきたのは、クリエータにとって十分にビジネスになるという点。そして僕たちにとってもビジネスチャンスになり得ると感じてます。

ITmedia “クリエータサイドでもビジネスになる”というお話しがありましたが、クリエータの1人としては、どんな印象をお持ちですか。

田中 (末広は)もともと大手メーカーからの受注でアプリを作っている会社でした。技術力はあったので、こうしたプラットフォームに参加して、非常に良い数字が出ています。このままいけば、受注請負から、自社のブランドでのビジネスにシフトできるんじゃないかという期待感があります。

ITmedia どのくらいタイトルが売れるんでしょう?

小原 末広さんの将棋のタイトルだけで見ても、1カ月でだいたい2200本売れています。麻雀も同じくらい売れています。

ITmedia ボーダフォンが当初持っていた狙いからすると、この販売数をどう見ていますか?

手島 始めた経緯は、課金ができるビジネスモデルを提供すれば、みんな真剣にやってくれる、いろいろなビジネスが生まれてくるというものでした。ボーダフォンが具体的に仕掛けるというよりも、市場で育ってくることを期待してます。でも、ここまで早く立ち上がるとは思っていなかったですね。

ITmedia 出足はいいということですね。

小原 1カ月やってみて1000本程度しか売れなかったなら考えなければならないと思っていました。ところが露出もほとんどやっていない割には、十分に売れてきている。課金アプリの販売に結びつけたいからこそ無料のアプリも真剣に作っていく、という流れになるのを期待しています。すると当然アプリゲットV!のPVも増えるし、購入率も増えて、今から5倍6倍の本数は見込めてくると思っています。

ITmedia “自社のブランドで売っていく期待”という話がありますが、クリエータシステムにどんな期待を持っていますか?

田中 クリエータアプリは、実際に買ってみないと分からない、というところがあります。公式サイトはブランド力と信用を兼ね備えていて、体験しなくてもある程度の期待と、そこそこ遊べるだろうという感覚で買っていくんです。アプリレジですと、ちょっと躊躇する。買ってみたらクソゲーだった、というような裏切り感が出る可能性もある。裏切らないマーケティングをしていかなくてはならないと思います。

小原 今、アプリレジで一番売れているのが「マンガ奥の細道」というものなんです。経営シミュレーションのようなもので、販売するコミックの数を増やしていくゲームです。開発者はもともと「ゲーム発展途上国」というゲームを無料で展開していました。無料でゲームをダウンロードしてもらってファンを獲得して納得してもらった上で、マンガ奥の細道をリリースしたら同時にドカンと売れたんです。こういうモデルは、コンテンツアグリゲータだからこそできるものだと思っています。

ITmedia 公式コンテンツとアプリレジ。ボーダフォンの中での位置づけはどうなるのでしょう?

手島 ポータルでやっているもの(公式サイト)は百貨店なんです。そこでは全体を見て、例えば百貨店で扱える商品と扱えない商品があると思うんです。コンビニライクなものや24時間提供するという価値は百貨店としては提供できない。公式の足かせみたいなものがあるんです。ユーザーは、公式のカラーが見えているからこそ、安心して入ってこれるが、提供側としてはそこから外れることができない。

 でも、そこでしかビジネスができないというのはおかしな話です。百貨店以外でも購入できる市場はあるべきで、それがオープンコンテンツとして発生していってほしい。もう1つの理由は、コンテンツを提供する市場をキャリアが完全にコントロールすべきではないということです。そうではなくて、ポリシーを共有してビジネスの機会を横に広げたほうが結果的にはうまくいく。コントロールするのが楽なのに比べると、険しい道ではありますが。

ITmedia クリエイターの立場から見ると、公式サイトでビジネスをするのとオープンサイトでビジネスをやるのとどちらに魅力を感じますか?

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