900iシリーズの派生モデルであるF900iTの特徴は、Bluetoothとタッチパネル(6月1日の記事参照)。前回はBluetooth機能をメインに取り上げたが、今回はタッチパネルを中心に見てみよう。
F900iTのタッチパネルは、ビュースタイルを採用することで、折りたたんだコンパクトな状態でも利用可能。PDAのような操作スタイルも実現している。
ストラップとして付けられるコンパクトなスタイラスが付属し、これでタッチパネルを操作できる。購入状態ですぐに使えるのが、「手書きメモ」とプリインストールされたiアプリだ。
手書きメモは、その名の通りタッチパネル機能を利用して手書き感覚でメモ書きが行える機能。手書きデータは画像として240×320ピクセルのJPEG形式で保存され、iモードメールに添付して送信することもできる。240×320ピクセルで撮影もしくはリサイズした静止画を読み込んで、その上にメモ書きすることも可能だ。
「静止画に落書き」というのが分かりやすい使い方。メールボタンを押せば即、メールで送信できる |
機能はかなり凝っていて、フリーハンドに加えて四角、円(楕円含む)などが書き込めるほか、ペンの太さや形状、色も変更できる。ブラシで書いたような効果も使え、メモの一部を四角、または自由な形状でコピー/カット&ペーストすることも可能だ。1ステップだが、操作のアンドゥー機能も持つ。
8倍までの拡大表示も可能で、一部の機能を除けば拡大表示のまま細かな作業を行える。もちろんスクロールも自由。フォトレタッチとまではいかないが、簡単な画像加工にも使えそうだ。
表示サイズは5段階。元々縮小表示しているわけでもないので、拡大すれば画像は荒れる。とはいえ、細かな作業には便利 |
面白いのは、レイヤー的な機能を持っていること。読み込んだ画像とその上から書き込んだ情報は独立しており、消しゴム機能を使っても“画像”は消去されない。手書きした分だけを何度でも修正できるのだ。もっとも、保存すると単に1枚の画像になってしまうので完全なレイヤー処理とはいえないが、“ちょっとミスしたので画像の読込みからやり直し”といった操作をせずに済む。
筆者は絵心がないので、お絵かきツールとしてのF900iTに興味を持っている知人に実際に使用してもらった。すると、お絵かきツールとしては「50点」という感想だった。小さなスタイラスにはすぐ慣れたようだが、「閉域の塗り潰し機能がない」「折りたたみ時にディスプレイ面までの高さが結構あり、机に置いて細かい作業がやりにくい」といったところに不都合を感じたようだ。
もちろんF900iTの機能はあくまで「手書きメモ」。お絵かきツールとしてタッチパネル+スタイラスに過剰な期待は禁物、といった所だろうか。
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