“N”初の回転2軸ヒンジ〜「N506i」のリバーススタイルを試す(2/2 ページ)

» 2004年08月09日 17時17分 公開
[坪山博貴,ITmedia]
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 フォントサイズ最小では最大20文字×20行の表示が可能なため、N506iではiモードメールでページスクロールの必要性がそれほどない。ここは前後のメールへ移動に割り当ててもよかったようにも思える。

 メールもiモードもメニューの2階層目にあるのが少々面倒だが、新着メールにはデスクトップアイコンからアクセスできる。シャトルキーの短押しでデスクトップアイコンにアクセスできるので、利用頻度の高い機能や情報はデスクトップに貼り付けてしまえばいい。通常メニューがシャトルキーの長押しに割り当てられているのは、こうした使い方にも配慮したもののようだ。

 シャトルキーを単押しするとデスクトップにアクセス可能。新着メールや不在着信に素早くアクセスでき、利用頻度の高い機能へのアクセスにも便利に使える。メールは縮小表示なら250文字(iモードメール1通あたりの最大文字数)を表示可能。余分な改行がなければ、リバーススタイルでもスクロールする必要がない

グループ機能を活用したい電話帳

 リバーススタイルでもかかってきた電話を受けられるほか、不在着信にはデスクトップアイコンからの発信が可能。もちろん電話帳を使った音声通話の発信もできる。

 リバーススタイルでの電話帳利用には少々工夫も必要だ。電話帳はシャトルキーを下に押すことで読み順に一覧できるが、リバーススタイルのままでは「あ行」「か行」などの絞り込んだ状態での一覧はできない。ホーム/ボイス、メモ/確認キーでページスクロールも利用できるが、電話帳の登録が多いと目的の相手にたどり着くのに手間がかかる。

 これはグループ機能を活用すれば解決する。リバーススタイルではシャトルキー上でグループ検索が呼び出され、グループの選択も容易に行える。発信頻度の高い相手だけでもグループ登録しておくといいだろう。

 電話帳はリバーススタイルでは読みの指定ができないため、全件の一覧が基本になる。300件の登録があると31ページもの表示となり、登録数が多いと実用的ではない。グループ検索を使えば(右)、リバーススタイルでも絞り込んだ状態での一覧ができるので、積極的に活用したい

あえて機能制限をしていないリバーススタイル

 ほぼ同時期に回転2軸ヒンジを採用したのが同じ506iシリーズとなる「P506iC」(8月4日の記事参照)。P506iCはクイックスタイル(N506iでいうリバーススタイル)用に専用のメニューが用意され、操作ステップの短縮を図っている。これに対してN506iではリバーススタイルでも通話スタイルと同じメニューであり、iモードやメールへのアクセスがメニュー2階層目にあるなど最適化されていない感もある。

リバーススタイルでもメニューは同じ。利用頻度の高そうなメールやiモードの利用でも階層をたどる必要がある

 もっともこの点はアプローチの違いと見ることもできる。N506iは各機能へたどり着くのまでの操作ステップ数が多い代わりに、利用の自由度が高い。例えばToDoやテキストメモの参照はリバーススタイルでも利用でき、P506iCのクイックスタイルでは使えないボイスレコーダーもN506iのリバーススタイルでは利用可能だ。

スケジュールは月間表示では前日、明日などへの移動ができないが(左右キーの操作が必要なため)、週間表示にしておけばリバーススタイルで快適に閲覧できる

 N506iはリバーススタイルでの機能の選択をユーザーの判断に任せている印象だ。利用頻度が高い機能はデスクトップアイコンに貼り付けてしまえばアクセスの手間も減らせる。

リバーススタイルに魅力を感じるかが選択の分かれ目

 N506iはカメラユニットが底面に移動したため、デジカメスタイルでの利用が可能になった。ただ自分撮りはレンズ脇のミラーを目安にする仕様だ(7月5日の記事参照)。このあたりは、大きなサブ液晶を見ながら自分撮りが可能な最近のNEC端末に比べて好き嫌いが分かれるところかもしれない。

 カメラユニットは底面に移動しデジカメスタイルでの撮影が可能になった。撮影の使い勝手は操作性も含めて悪くなく、リバーススタイルで待ち受けする場合、撮影を始めるまでの手間も少ない

 もっとも基本的な操作性はNEC端末そのもので、さらに縦方向に高解像度化されたディスプレイもフルに活用している。NEC端末ユーザーが移行するのに最適なことは間違いない。日本語変換のT9も強化され、T9独特の1文字1キー操作のカナ入力に加えて予測変換が活用できるようになった。正統進化を遂げたNEC端末であることに間違いない。

 トレンドに沿う形になったリバーススタイルをどう捉えるかがN506iを選ぶかどうかの分かれ目になるだろう。端末としての魅力は大きいが、“N”端末が保守的な層に人気があったのも事実。歴代“N”端末を愛用してきたユーザーには微妙な位置付けの端末になりそうだ。

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