混戦模様の端末シェア〜シャープ、三洋が躍進

» 2004年10月20日 21時37分 公開
[斎藤健二,ITmedia]

 MM総研は10月20日、2004年度上期の国内携帯電話出荷状況の調査結果を発表した。総出荷台数は前年同期比17.9%減の2110万台に留まり、2年ぶりのマイナス成長となった(10月14日の記事参照)

 メーカー別のシェアで見ると、1位NECと2位パナソニック モバイルの差が縮まり、さらに3位シャープと4位三洋電機も躍進。上位メーカーと下位メーカーの差が縮まっている。

シェア落とすNEC、躍進するシャープ、三洋

 トップシェアのNECは7期連続でトップを守った。しかし出荷台数は前年同期比で33.4%の減少、シェアも4.5ポイント下がった。MM総研は「N900iシリーズが売れ筋上位にランクされたが、前年のような大ヒット商品に恵まれなかった」と分析している。

 2位のパナソニック モバイルも、昨年のヒット端末「P504iS」や「P505i」に代わる端末が伸び悩み、前年同期比13.3%減。しかし市場全体が縮小する中で、シェアは1ポイント増加して17.7%。

 シャープは、ドコモ向け「SH900i」や、ボーダフォン向けの「V602SH」「V402SH」が人気を博し、前年同期比14.9%増と過去最高の出荷台数を記録した。シェアは15%に達し、2位に迫る勢いだ。

 4位の三洋も前年同期比20.9%増の高成長。特にau向けが好調で、「A5503SA」「A5405SA」「W21SA」など複数機種がヒットした。シェアも10.4%となり、昨年の7位から4位へ飛躍した。

メーカー 出荷台数 出荷前年同期比 シェア シェア増減
NEC 405万 -33.4% 19.2% -4.5%
パナソニック モバイル 373万 -13.3% 17.7% 1%
シャープ 317万 14.9% 15% 4.3%
三洋電機 220万 20.9% 10.4% 3.3%
ソニー・エリクソン 175万 -25.5% 8.3% -0.8%
東芝 173万 -25.1% 8.2% -0.8%
富士通 148万 -15.4% 7% 0.2
三菱 138万 -44.4% 6.5% -3.2%
 ソニー・エリクソンはpreminiが話題を呼んだが、大ヒットにはつながっていない。東芝は僅差の6位。ボーダフォン向けでシャープと、au向けで三洋電機と激しいシェア争いを展開したが、前年同期を下回った

 2004年度の携帯出荷台数は、対前年比12.1%減の4390万台になると、MM総研は予測。カメラ付き携帯買い換えの一巡などのほか、キャリアが販売促進費用(インセンティブ)を抑えたことも理由の1つだ。「現に、1円端末など低価格で販売された機種は爆発的に売れている」(MM総研)。

 2005年度の携帯市場は4480万が見込まれ、うち74%が3G端末となるとMM総研は予測している。

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