カスタムジャケットに秘められた可能性〜「ReMOLDe」の挑戦(1/2 ページ)

» 2004年11月09日 11時54分 公開
[後藤祥子,ITmedia]

 P900iの特徴は、着せ替え可能な「カスタムジャケット」。ドコモはこれまで、発表当初に10種(1月27日の記事参照)、夏モデル10種の別売りジャケットをリリースし(6月1日の記事参照)、ユーザーの注目を集めた。

 端末開発を手がけたメーカー側も、“何か面白いジャケットを開発したい”と考えていたことから、関連会社のパナソニック テレコムが5月29日にオリジナルカスタムジャケット販売サイト「ReMOLDe」(リモルデ)をオープンした(5月25日の記事参照)。デザイナーとのコラボモデル「groovisions Version」や牛革製ジャケットを皮切りに、ラインアップを拡充(7月27日の記事参照)。ユニークなアーティストの起用や、限定販売というプレミア性で人気を博している。

 ReMOLDeのカスタムジャケット開発を手がける、パナソニック テレコム、ビジネスイノベーショングループの井上祐一マネージャーに、カスタムジャケットの開発方針や、今後の展開について聞いた。

「ReMOLDe」ブランドは、ここが違う

 実はオリジナルのカスタムジャケットを開発しているのは、ReMOLDeだけではない。Webサイトで検索すると、木製やチタン製などさまざまな製品が販売されているのが分かる。

 ReMOLDeの場合、端末メーカーの関連会社が手がけていることもあって、「アンテナ感度に影響しない素材選び」を心がけているという。P900iのアンテナは背面に装備されており、使う素材によっては感度に影響が出るものもある。「素材はすべてテストして、ドコモがリリースしているものと同じ受信感度をキープしている」(井上氏)。

 革製カスタムジャケットも、ただ革を型抜きして張るのではなく「すごく薄くスライスして張り込んでいる」(同)など、受信感度に影響しないよう工夫されている。漆塗りのジャケット開発では、「塗って乾かす──を繰り返すと多層構造になる。見た目は薄かったが感度が落ちたのでNGになった」という経緯もあった。

携帯のパーソナライズをカスタムジャケットで

 ReMOLDeというサイト名の由来は、「もう一度形を変えるという意味の“リモデル”、工法として使っている“インモールド”(1月29日の記事参照)、ヨーロッパの言葉で“調和”や“和音”の語源となる言葉を取り入れた造語」(井上氏)。携帯電話をよりパーソナルなものとして使ってもらうために“ジャケットを替える”文化を普及させたいという考えから立ち上げたサイトだ。

 当初ReMOLDeが製品の軸にしていたのは、デザイナーとのコラボモデルと、素材にこだわったマテリアルコラボの2つ。最初にリリースした「groovisions Version」は、限定500枚があっという間に完売。革モデルは「どんどんオーダーが入って、革の材料が足りなくなる」(同)ほどの注文が舞い込んだという。

 以降も定期的に新製品を発表しているが、デザイナーコラボ版で重視したのが「ぼくらの主観」だというのも面白い。「“有名だからいい”というのではない。作風を見て、冴えたものが出そうなら起用する」(同)。

 デザイナーズコラボはこれまで3種がリリースされた。左からgroovisions Version、 清水寛子Version、中村哲也Version

 これまでのコラボモデルに起用されたアーティストは、groovisions以外は「それほどメジャーではないけれど、そこそこ実績があってそれなりの活動をしている方」(同)。人気は上々で、いずれも完売している。

メディアとしての可能性が見えてきた

 「気分に合わせて携帯も着せ替える」というコンセプトがユーザーのニーズを捉えたP900iは、売れ行きも好調(11月5日の記事参照)。6月30日の段階で80万台を出荷(6月30日の記事参照)、携帯販売ランキングでもトップの常連であることから、150万台程度出ていると推測される。

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