iPod携帯、あったら最強?(1/2 ページ)

» 2004年11月17日 20時20分 公開
[吉岡綾乃,ITmedia]

 11月17日に行われた「モバイルアドフォーラム2005」で、マーケティング分析を得意とする米国在住のコラムニスト、大柴ひさみ氏が講演を行った。タイトルは「『Gen Y』対応型マーケティングとは?」。

 「Gen(eration) Y」とは米国の言葉で、一般に10歳から28歳の世代、約7300万人を指す。この世代に対し、どのようなマーケティングを行ったら効果的か、という内容だ。

 4年くらい前から、米国のマーケティングはGen Yにフォーカスしたものになりつつある。そして大柴氏の分析によれば、日米のGen Y世代には何かと共通点が多いという。

JaM Japan Marketing LLC、大柴ひさみ氏

テレビを観ながらチャット/携帯は当たり前

 各ジェネレーションの細かな区分は人によって差があり、大柴氏の言うGen Yは主に20〜28歳前後の男女を指す。「10代の世代は『Gen Z』としてまた別に扱うべき」と考えているためだ。

 ベビーブーム世代の子供として生まれ、物質的に豊かに、そして過保護に育てられたGen Y。子供の頃は家庭で何かモノを買うときの決定権を持っていた。成長して大学を卒業しても一人暮らしをせず、「就職できなかったから」「自分で家を買うまでの間は家賃がもったいない」などといった理由で実家に戻る人が多い。親との関係も、上下関係ではなく「友達」。親は子供(Gen Y)が望むものを何でも買ってあげたいと願い、子供もそれを当たり前に受け止めている──こんなGen Yの特徴は、確かに日本の同世代にも当てはまる。

米国の世代別人口推移

 日本でも米国でも、子供の頃から当たり前にコンピュータに囲まれて育った世代。コンピュータやインターネットを自由に使いこなし、テクノロジー&モバイル志向が強く、音楽やゲームに強い興味がある。

 日米で違うのは、米国では日本ほど多機能な携帯が普及していないため、日本のGen Yが頻繁に使う携帯メールが、米国のGen YではIM(インスタントメッセージ、チャット)になるということだ。テレビを見ながらノートPCを開き、興味があることをWebで検索したり、テレビで面白いことをやっていたら、IMや携帯メールで複数の友達にすぐに教える。

 マルチタスクなGen Yは、“テレビ+インターネット+口コミ”と、同時に複数のメディアに接するのが当たり前なので、例えばテレビとインターネットとで、情報が食い違っていたら話にならない。テレビとインターネット、従来の“メディアのミックス”からさらに進んで、“ブレンド”されていることが大事だと大柴氏は言う。

 もう一つのポイントが、会社から消費者へ、上から下への情報伝達ではなく、口コミで横に広がるマーケティングを重視することだ。「今までのようなマスに対する投網式のマーケティングでなく、テレビ+インターネットをブレンドし、さらに口コミも効果的に仕掛けていくことが成功の鍵」とする。このマーケティング分析は、日本にもかなり当てはまると言えそうだ。

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