2.5Gで一段加速、3Gでフルスロットル〜パナソニックの海外戦略(1/2 ページ)

» 2005年01月11日 19時20分 公開
[後藤祥子,ITmedia]

 W-CDMAの3Gサービスを、世界各国に先駆けて展開した日本。その代表ともいえるドコモのFOMAは、芽が出るまでに時間がかかったものの、今や純増数でPDCを逆転するまでに成長した(6月19日の記事参照)

 世界で共通仕様が定められているW-CDMA方式の普及は、日本の端末メーカーにとって大きなチャンス。ハイスペック端末の開発実績で海外メーカーに先んじたことが強みになるため、各メーカーとも海外進出の準備を着々と進めている。

 FOMA普及のきっかけになったともいわれる「P2102V」(2003年3月の記事参照)を開発、以降ヒット端末を生み出しているパナソニック モバイルも、海外端末に注力するメーカーの1つ。2006年にも立ち上がると見られる海外3G市場に向けて、どんなアプローチを図るのか。第2モバイルターミナルディビジョン長の小谷源久取締役に聞いた。

日本の最先端デバイスを、いかに早期に海外展開できるか

 国内の需要が飽和しているのに対し、海外は今後の大きな伸びが期待できる市場。「事業の成長性が高いGSMやUMTS市場で戦える、グループの総力を発揮した端末を生み出す基盤を作る。それが私の目標」──と、小谷氏。重視するのは“端末開発のスピード”だ。「国内で我々はFOMA開発でかなり先行している。こうした技術をUMTSだけでなく2.5GのGSMでも、国内に遅れることなく同時立ち上げできるような開発と生産体制の基盤を再強化する」

 これまでパナソニックモバイルの海外向け端末は、域内生産、域内販売が基本だった。アジア向けならフィリピンで生産して供給、欧州向けはチェコで生産──といった地域完結型の生産体制を取っていた。しかし「日本の最新デバイスを各工場で並行して展開するのは、生産のノウハウもあってなかなか難しい」。

 今後は最先端デバイスを立ち上げられる日本の工場を、グローバルな意味でのマザー工場に仕立て、ここで立ち上げたものを海外の製造拠点で順次展開するという方針。その役割を担うのは、国内の生産拠点である掛川工場だ(2004年6月の記事参照)

 「携帯電話は“小さく、軽く、薄く”というのが商品の基本特性で、うちの強みを発揮できるところでもある。ただこうした端末開発には、相当の製造ノウハウが必要。海外端末にこうした技術を反映させるためにも、日本で立ち上げた端末を、同時に海外でも出せるインフラ整備が急務となる。これは着実に進んでいて、2005年から本格的に、日本の最先端製品がどんどん出せる体制が整ってきた」

 重さ約104グラム、901iシリーズ最軽量のFOMA「P901i」

 もう1つ、小谷氏が重要視するのが“変化への対応”。2004年には、端末開発メーカーの急増が端末の価格破壊を引き起こすという不測の事態が起こったという。「変化に対応するためには、当初もくろんでいたことを加速してやらなければならない──ということを実感している。(端末開発のインフラ整備は)半年前倒しして、2004年下半期にも実質的には行動期に入るというパターンだった」。

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