アナログ・デバイセズ、最小クラスの携帯向けGSM/GPRSチップ

» 2005年02月08日 23時52分 公開
[杉浦正武,ITmedia]

 アナログ・デバイセズは2月8日、無線回路を1.5平方センチまで小型化したGSM/GPRS対応RFチップセット「AD6548 Othello-G RFチップ」を発表した。価格は、1万個で3ドル。同社の“Othelloシリーズ”となるRFモジュールの最新版で、従来の「AD6539 Othello One TV」よりさらに小型化が図られている。

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 AD6548は、850M/900M/1800M/1900MHzのクワッドバンドに対応したダイレクトコンバージョンRFチップ。トランシーバ部は5×5ミリで、RF部だけで見れば1.8×0.85ミリ(1.5平方センチ)と「世界最小の小型形状ファクター」(同社)を実現している。ちなみに、AD6539のトランシーバ部は7×7ミリだった。

Photo トータルで23コンポーネント。ループフィルタは内蔵する構成で、外付けの場合と比べピン数を減らせるため、ノイズ減が期待できる

 携帯電話の無線回路設計に必要な部品をほぼすべて集積しており、パワーアンプと受信用SAW(表面弾力波)フィルタ、送信/受信切り替えスイッチといった外付け部品を追加するだけで無線設計を完成できる(上図参照)。

携帯チップセット市場は伸びる

 アナログ・デバイセズは、半導体市場で世界の6万社以上に採用された実績を持つ企業。携帯向けには、Blackfinプロセッサをベースとするベースバンドチップ「SoftFone」シリーズも開発している。今回のRFチップセットは、SoftFoneシリーズのベースバンドチップと相互補完関係にある。

 国内の携帯市場は飽和しているともいわれるが、世界規模で見れば携帯電話市場は成長中。2004年は6億2000万台から6億4000万台といわれる出荷台数を記録しており(1月28日の記事参照)、2005年には7億台を超えるとも予測されている。

 アナログ・デバイセズも、こうした市場を狙って携帯用チップセットに力を入れている。2004年は「中国市場での好調などもあってシェアを伸ばした」(アナログ・デバイセズのワイヤレス・ハンドセット・セグメントグループの櫻井義孝ディレクター)。同社の分析では、GSM/GPRS/EDGEのベースバンド・プロセッサの市場シェアで、アナログ・デバイセズは世界第3位につけているという。

 同社は今後GSM/GPRS携帯向けだけでなく、将来のEDGEや3G、その先を見越したロードマップも用意しているという。昨年に、3G端末向けチップセット「SoftFone-LCR」「SoftFone-W」も発表済み(2004年11月17日の記事参照)。継続的に、ラインアップを発展させるとした。

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