国土交通省では、市販の汎用機器をプレジャーボートで海に関連する情報を利用するためのプロジェクト「プレジャーボート安全利用情報システム」(海なび)を現在推進中。本日から始まった「第44回東京国際ボートショー」でもブースを設けてデモンストレーションを大々的に披露している。
このプロジェクトは、海図情報や気象情報、周辺の港、施設、店舗情報といった海に関係する情報を集約した「海なび」メニューにアクセスすることで、ノートPCやカーナビ、携帯電話をプレジャーボートの航海機器にしてしまおう、というもの。
すでに別記事で、PCやカーナビを使ったサービスのデモを紹介したが、ここでは、とくに記者が注目した「携帯電話を利用した海なび」を詳しく紹介したい。
このシステムは昨年のボートショーの記事でも紹介した「海ざんまい」を開発、運営しているワムネットサービスが、携帯電話バージョン「海なび」の開発にも協力している。
デモでとくに驚かされたのが、ENCデータや小型船舶向け港湾案内のPDFデータを呼び出して表示する機能。ENCのデータを利用することで、改補データを反映した最新の状態をつねに参照できたり、灯質など周辺目標の情報を呼び出したり(即座に観測できる、「色」「閃光回数」「周期」を入力すると適合する灯台名が検索できる機能などが考えられる)、GPS機能と連動して自船位置のプロットできる、などなど、多様な機能が実現する可能性がある。
今回のデモでは、ENCや港湾案内のサーバに保存されているデータにアクセスする方式をとっているが、このシステムが実現するかどうかは、管轄である海上保安庁との調整しだい、ということ。
今回の展示におけるユーザーの反応も海上保安庁の協力を得るための重要な要素になるということなので、興味あるユーザーは、ぜひボートショーのブースに足を運んで、担当者に意見を述べていただきたい。
組織的な仕切りがあるとは思うが、ENCのデータが携帯電話で使えるようになるということは、使いやすい、かつ、誰もが持っているデバイス、安全を確保できることにもつながるはず。海上保安庁にとってもプラスになるアイデアであるのだから、「海の安全」を向上させるためにも、ぜひ、関係機関が協力して「携帯電話でENC!」を実現していただきたい。
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