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» 2005年06月02日 18時58分 UPDATE

BREW 2005 Conference:CDMAの聖地、サンディエゴQualcomm本社を訪ねる

CDMAの技術開発企業Qualcomm。6月1日に開幕するBREW 2005カンファレンスに先立ち、米サンディエゴにある本社を訪ね、最新動向を聞いた。

[斎藤健二,ITmedia]

 W-CDMAやCDMA2000(1X)といった、最新の携帯通信方式につきものの“CDMA”という言葉。このCDMA(Code Division Multiple Access:符号分割多重接続)を、世界で初めて携帯電話に応用したのが米Qualcommだ。

 日本ではあまり表舞台に現れないが、au端末の無線チップセットはQualcommが提供しており、BREWというアプリケーションプラットフォームもQualcommが提唱しているもの。さらにCDMA関連の特許を多数所有しており、ドコモなどにもライセンスするなど、「CDMAといえばQualcomm」という会社だ。

 その米Qualcomm本社があるのがサンディエゴ。メキシコ国境近く南カリフォルニア沿岸部に位置するサンディエゴは、穏やかな気候とのんびりとした環境が特徴。カリフォルニア州でロサンゼルスに次ぐ2番目の大都市でもある。

qcom1.jpg サンディエゴ中心部

 数年前まではQualcommをはじめ携帯電話メーカーがひしめきあい、ワイヤレスバレーの異名も取っていたという。現在はバイオ関連企業も増えバイオバレーとも呼ばれる。

 サンディエゴ中心部からバスで約30分。少々内陸部に入ったところにあるQualcomm本社を訪ね、同社の最新動向を聞いた。

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 Qualcommは全世界に8000人の従業員を持つ。本社のあるサンディエゴには30のビルがあり、本社機能に加え、研究開発などを行っている。

 同社は大きく4つの部門に分かれる。収入の59%を稼ぎ出すチップセット部門「QCT」、収入は全体の32%だが高い利益率を持つCDMA関連のライセンス部門「QTL」、BREWなどワイヤレスインターネットを扱う「QWI」部門。そして2006年末に米国でスタートする携帯向け放送事業MediaFLOなどを扱う戦略投資部門「QSI」だ。

 Qualcomm=CDMA2000と見られることが多かったが、最近はCDMA関連の総合企業としてW-CDMAにも注力している(2004年11月2日の記事参照)。「LG、Samsung、CURITELなど10の端末メーカーがHSDPA端末をアナウンスしている。米Cingularは特にHSDPAに興味を持っており、2005年末に15〜20の都市で開始の予定だ」と、Qualcommマーケティングシニアディレクターのジェレミー・ジェームス氏。

qcom3.jpg CDMA2000を採用するオペレータでは、Verizon Wirelessが4000万人超のユーザーを持ち、全世界でトップ。しかし2位のChina Unicomの伸びが著しい。KDDIは世界5位につけている。W-CDMAではドコモが契約者数でトップを走る。2位に3 Hutchison、3位にVodafoneという順だ

 通信関連ではCDMA2000系ではなくW-CDMA、特にHSDPAの話題が多く、実際に電波を飛ばしたHSDPAのデモも見ることができた。

qcom4.jpg QCTのプロダクトマネジメントディレクターのアレックス氏。HSDPAネットワークを使って、BMWのムービーを伝送、再生するデモを行った
qcom5.jpg HSDPAの信号はサンディエゴ郊外に点在するQualcommの別のビル屋上に建てられたアンテナから飛ばされている
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 Qualcommが新たなビジネスとして力を入れているのが、携帯電話向けの放送サービス「MediaFLO」(メディアフロー)だ。“携帯電話向けに放送サービスを行うなら何がベストか?”という発想で、いちから作ったサービスとなる(2月9日の記事参照)

 米国ではQualcommが購入した700MHz帯を使い、「テレビの1チャンネルに当たる6MHz幅で6Mbps」(MediaFLO技術部長のロブ・シャンドック氏)を実現する。この帯域を使い、蓄積型放送とリアルタイム放送の両方を提供する。携帯電話にターゲットを絞ることで、他技術に比べ、低消費電力、低コストを実現できるとする。

 米国では2006年末に一部都市でサービス開始予定。Qualcomm子会社がコンテンツを集め、放送を行うが、ユーザーへの課金は携帯キャリアの役割となる。Qualcommは携帯キャリアに番組の卸売りをする形となる。

qcom7.jpg 左は通信チップセットに「MSM6550」を使ったQVGA端末でのMediaFLOデモ。H.264を使い30fpsの映像を提供できる
qcom8.jpg 映像ビットレート350kbpsで、QVGA/30fpsの動画を流した場合の画面クオリティ。QVGA/15fpsの信号を、30fpsの信号とレイヤー化して提供することで、電波状態の悪い場所では自動的にfpsを落としてクオリティを確保するLayerd Modulationという変調方式を用いて符号化してある

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