ドコモ中村社長が描く、事業の「3つの方向性」

» 2005年06月29日 21時14分 公開
[ITmedia]
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 6月29日に日刊工業新聞社が開催した「最新情報戦略フォーラム2005」で、NTTドコモの中村維夫社長が講演を行った。テーマは「モバイルが実現するユビキタス社会」。

 中村氏はこの中で、ドコモが取り組む事業の全体像を示した。ドコモとして、どんなユビキタス社会を想定しているかも分かる内容だった。

「人―人」以外の通信も多様化

 冒頭、中村氏は世界の携帯電話市場を紹介。特に注目しているのは中国市場だ。中国での携帯加入者は3億5000万加入に達しようとしている。

 「それでいて、普及率はまだ24%。いかに大きい市場かが分かる」。ドコモはiモードを国外にも展開するなど海外進出に熱心だが、中国市場にも魅力を感じていることをうかがわせた。

 その上で中村氏は、ドコモが現状どのような事業に取り組んでいるかを紹介。方向性としては「人」―「人」、「人」―「物」、「物」―「物」の3つがあるとする。

 人―人の事業としては、従来のようなメールや音声通話がある。中村社長は最近のサービスとして、「国際テレビ電話」を挙げる。日本と香港、イギリス、韓国、シンガポール、オーストラリア、ポルトガルなどで、“国境を超えたビジュアルコミュニケーション”が可能だとうたう。

 人―物の事業としては、FeliCaサービスが挙げられる。おサイフケータイの契約者数は、2005年4月末時点で334万。901iSでさらに普及すると見込む。

 三井住友フィナンシャルグループと提携して推進する「おサイフケータイのクレジット携帯化」にも言及した(4月27日の記事参照)。「今までの決済プラットフォームとは異なる新インフラが必要になるし、リーダー/ライターも設置していかなくてはならない。かなり大変だ」と苦笑しつつ、1年で商用化のめどをつけると話す。

 ほかにも、ユーザー同士がQRコード付きのポストカードを送付しあったり、児童や高齢者に通信端末を持たせてセキュリティを保証したりといったサービスも人―物の事業の1つに位置づけている。

 物―物の通信では、車両や建設機械に通信機器を取り付け、DoPa網を利用してエリア移動情報を通知するシステムなどが例示された。通信カメラと組み合わせた遠隔監視システムも紹介されたが、これは「カメラをいかに安くするか」がポイントだとも述べた。

社会への負の影響も配慮

 携帯は便利な道具だが、その便利さが災いして犯罪に悪用されるケースもある。中村氏はこの点を自ら指摘し、いまや携帯を使わない犯罪などないとも言われると話す。

 出会い系サイトや迷惑メールといった有害コンテンツへの対応、プライバシーの保護、環境や人体への配慮、ユーザーの情報リテラシーをいかに高め、新たな社会規範を定着させるかなど、課題を挙げればきりがない状況だ。こうした社会的影響からも、目をそらさないようにしたいと中村氏はしめくくった。

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