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» 2005年10月06日 22時39分 UPDATE

短期集中連載・夏野さんに聞いてみよう:「ドコモは本当にマーケティングが下手」 (1/2)

10月5日、都内のセミナーにドコモのキーマン、夏野剛氏が登場した。同氏が明かすドコモのマーケティング戦略とは、どんなものだろうか。

[杉浦正武,ITmedia]
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 短期集中連載「夏野さんに聞いてみよう」、今回はNTTドコモ執行役員の夏野剛氏がドコモのマーケティング戦略をどう考えているかに焦点を当てる。

 本連載は10月5日に開催された「NICT情報通信ビジネスセミナー2005」での、ドコモのプロダクト&サービス本部のマルチメディアサービス部長、夏野剛氏の講演内容を紹介するもの。同講演で夏野氏は、多岐にわたる内容を歯に衣着せぬ物言いで話した。

ドコモのマーケティングで成功したのは「ドコモダケ」だけ?

 夏野氏は、携帯はいかに最新技術をとりこめるかで勝負が決まる“お堅い”世界だと思う人間もいるが、そんなことはないと話す。「案外ソフトな部分で決まる。例えばデザインケータイもそうだ。『この携帯はデザインがいい』――とアピールしていると、デザインがいいのかなと思えたりする」

 また、過去にデザインケータイとしてもてはやされた端末も、今になって冷静な目で見ればそれほど格好よくはないはずだと強調。これはデザインに止まらず、料金面でも同じだという。「いまだにドコモは料金が高いと思っているユーザーが8〜9割いる。しかしドコモもかなり料金を改定している(7月29日の記事参照)」。比較が難しいため軽々にはこちらが安いと言えないが、実態以上にドコモの料金は高いというイメージが先行しているのではないかという。

 夏野氏は戦略畑の人間らしく、技術偏重ではサービスを受け入れえもらえないと繰り返し説く。「いかに効果的にマーケティングするかが重要だ。その点でいうと、うちのドコモは本当にマーケティングが下手。auなどは、“世界初の音楽ケータイ”とうたい上げ、『ただしAACなんとかの方式に対応したものとしては』とただし書きをつけている。そんなものをつければ何でも“世界初”だ」

 auの着うたフルは、実際のところaacPlusに対応した画期的な携帯向け音楽配信サービスだった。ただ夏野氏はサービスが画期的かどうかより、それをどう宣伝したかを問題にしている。

 「最近のドコモのマーケティングの成功事例といえば、唯一(CMキャラクターの)“ドコモダケ”ぐらいだ。すると今度は『auシカ』なんていうものが出てきた。写真を見るとキノコを食べている。上手い。『なんだ、それならこっちは毒キノコで対抗するぞ』などと話しているのだが……」(笑)

900iの劣勢を跳ね返したのは「ドラクエ・FF効果」

 夏野氏はまた、NTTドコモとしてFOMAが開始当初不振だったことにも言及し、この劣勢を跳ね返した経緯にもマーケティングが貢献したと話す。

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