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» 2006年03月06日 17時31分 UPDATE

FOMA新シリーズ「SIMPURE」の狙い――2台目端末として旅のお供に

ドコモは国際ローミングに対応したシンプルケータイ「SIMPURE」シリーズを発表した。これによって、70xシリーズの位置づけが変わってきた。

[杉浦正武,ITmedia]

 NTTドコモは3月6日、国際ローミングサービス「WORLD WING」に対応したシンプルなケータイ「SIMPURE」(シンピュア)シリーズを発表した。第1弾の「SIMPURE L」(L600i)と「SIMPURE N」(N600i)は4月以降に発売予定で、価格は未定だが70xシリーズより下となる1万円程度の価格帯を目指す。

 ドコモはこのシリーズでどんなユーザーの開拓を目指すのか、また既存の「90xシリーズ」「70xシリーズ」との違いは何なのか。ドコモのプロダクト部部長、永田清人氏に聞いた。

Photo ドコモの永田氏。SIMPUREシリーズは「ハードはグローバルでも、味付けは日本市場向けだ」

韓LG端末投入で「グローバルかつ安価な端末」を

 SIMPUREシリーズの注目点は、韓LG電子の開発したSIMPURE Lを投入したところ。もう一方のSIMPURE Nも海外向けに端末供給するNECが開発したもので、こうしたグローバルメーカーが手がけた端末を販売することで「リーズナブルなコストで開発できた」(永田氏)という。

 「グローバルメーカーに参加してもらおうと考えたところ、(W-CDMA/GSMの)デュアルモードでベースができていた。SIMPUREというコンセプトに国際ローミングサービスが加わったのは、時系列でいうとそういう流れだ」

 これによりドコモの製品ラインアップには、90xと70xシリーズのほかに、さらに下のシリーズができることになる。永田氏は、SIMPUREシリーズによってPDCユーザーをFOMAにマイグレーション(移行)させたいと話す。

 「おかげさまでFOMAの契約数は、2200万を超えた。しかし更なる飛躍に向けて、ボトムレンジを底上げしたい。さらに幅広いユーザーに使ってもらうため、もっとシンプルな機能の端末を用意した」

Photo ドコモの端末ラインアップ。SIMPUREシリーズは70xシリーズよりもさらにエントリーモデルとなる

 実際、SIMPUREシリーズはiモード、iモードメールおよびカメラ機能に対応しているが、アプリのスペックは「503i〜504i相当」(説明員)。FOMA端末だけにiモーションやテレビ電話機能には対応しているが、デコメールなどの付加機能には対応しておらず、機能をできる限り削ぎ落としているといえる。

 永田氏は、SIMPUREシリーズで“2台目需要”も喚起していきたいと話す。「(ハイエンド端末で)ゲームをばんばんやっているが、海外にも携帯を持って行きたい、その場合にSIMPUREを2台目の端末として持ってもらう。これで海外旅行の際に自分の電話番号で通話ができる」

 小型化を図ったSIMPUREシリーズを、海外旅行のお供としてポケットに忍ばせてほしい――とした。

70xの位置づけはどうなるのか?

 ここにきてドコモは、70xシリーズの位置づけを変えていることが鮮明になった。本来70xシリーズは、ハイエンドの90xシリーズに比べて機能を絞ったモデルと位置づけられてきた。しかし702iシリーズの時点で、一部では90xシリーズにも劣らないほどの高機能を搭載している(1月17日の記事参照)。SIMPUREシリーズが登場したことで、機能を削ぎ落としたのが70xシリーズ、とはいえなくなった。

 この点を、永田氏は「PDCユーザーのFOMAへのマイグレーションが進んだため」と繰り返す。

 「70xシリーズが登場した頃は、50x系のハイエンドユーザーしかFOMAにマイグレーションしてなかった。そのためより自然にFOMAに変えられるよう、端末のポートフォリオとしてもっとシンプルなものを用意した。しかし今、さらに下のセグメントが今必要ではないかと判断した」

 “さらにエントリーレベルのユーザーを巻き込んでいくため”、下へ下へとラインアップを拡充しているようだ。なお、70xの場合は90xのプラットフォームを使ってサブセットとして開発していたが、SIMPUREはベースモデルがなく、既にほかの機種で利用した部材を流用することで部品調達のコストを下げているという違いもある。

 SIMPUREシリーズの登場により、ドコモはライトユーザーを完全にFOMAに移行させられるのか。永田氏は「ここからもう1年が経つと、どうなるのかまた考えなければならない」と話すに留めた。

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