日立製作所製端末の「W42H」(5月22日の記事参照)は、同社の「W32H」(記事一覧参照)の後継機という性格を色濃く残した端末だ。カスタムバングル、Wシーン切り替えという特徴を持つこの端末は、どのようなコンセプトで設計されたのか。開発陣に聞いていく。
W42Hの開発が始まったとき、商品企画として挙がったのが「Wシーン機能(後述)を打ち出すため、外も中も着せ替えられる商品にしたい。着せかえパネルのような製品をやりたい」というアイデアだった。
携帯の“着せかえ”は、今やすっかり定着した手法だ。パナソニックモバイルの「カスタムジャケット」、NECの「スタイルプラス」、ソニーエリクソンの「デュアルスタイル」など、パネルを着せ替えることによってイメージを変えられると訴求する端末は少なくない。
外観デザインを担当した岩間氏は「着せかえパネルではもう珍しくない。逆に“小さく変える”というアプローチもアリなのではないか」と考えた。またそのとき漠然と「黒に金色のラインが入った、高級万年筆のようなデザイン表現をしてみたい」という気持ちもあったため、黒地に金のカスタムバングルが光る、W42Hのデザインが決まった。
W42Hには、カスタムバングルが3種類ずつ付いており、気分に合わせて付け替えられるようになっている。30種類以上試作したうち、付属する3種類を選んだ理由は「同梱するなら全部使えそうなものにしようと思った」(吉田氏)から。この時作ったバングルの中から、もっと派手なデザインのもの3種類が、キャンペーン用商品としてプレゼントされている(7月12日の記事参照)。
「ただ、製品を発表したときに、万年筆って言い過ぎてしまったかな、とちょっと反省しているんです。ホワイトやオレンジは全然ムードが違うし、いろんな方に使っていただきたいので、あまり万年筆というキーワードを押し出さない方がよかったのかもしれない」(酒井氏)。
たしかにW42Hは、ブラック、ホワイト、オレンジの3色で、受けるイメージが全然違う。ブラック+ゴールドの組み合わせはたしかに高級万年筆っぽさがあるが、ホワイト+シルバーは女性が持つと似合いそうな雰囲気があり、クォーツオレンジはカジュアルなイメージだ。この3色はどのように決まったのだろうか。
「みんなで、青山の万年筆専門店に行ったんです。そうしたら黒い万年筆のほかに、白いペンとオレンジ色のペンがあって、それがすごくいいと思った。それで3色が決まりました」(岩間氏)
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