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» 2006年10月18日 22時31分 UPDATE

FPD International 2006:2.6インチXGA、4インチWVGA……近未来、携帯向け液晶はこうなる? (1/2)

「FPD International 2006」で展示されていた近未来の液晶技術。携帯やUMPCなどの小型機器向けの液晶パネルも多く展示され、2.6インチXGAや3.5インチVGA、4.1インチWVGAといった高精細なパネルのほか、4方向ののぞき見防止を実現する新ベールビュー液晶などに注目が集まっていた。

[岩城俊介,ITmedia]

 神奈川・横浜のパシフィコ横浜でフラットパネルディスプレイおよび製造装置・部品の総合展示会「FPD International 2006」が開催されている。開催期間は2006年10月18日から20日まで。

 会場で目立っていたのはやはり家庭用テレビ/ディスプレイ向けの大型パネルだが、携帯やポータブルプレーヤー、スマートフォン向けとなる新技術を用いた小型パネルの展示も多い。今回はそれらを採用する携帯向けパネルを中心に、ちょっと未来の携帯にどのようなものが搭載されていくかチェックしてみよう。

NEC液晶テクノロジー

 NEC液晶テクノロジーブースには、2.55インチQVGA(240×320ピクセル)/3.5インチQVGA/4.3インチWQVGA(480×272ピクセル)のSR-NLT×SA-SFTパネル、4インチWVGA(720×400ピクセル)のNew Renderingパネル、2.7インチVGA(640×480ピクセル)・透過型/2.7インチVGA・半透過型/3.5インチVGA・透過型/3.5インチVGA・半透過型/4.1インチWVGA(800×480ピクセル)のSOG(System On Glass)液晶などが携帯・小型デバイス向けとして展示されている。

 SR-NLT×SA-SFTは同社独自の外光環境適応技術となる“Super-Reflective Natural Light TFT”と、IPS(In-Plane Switching/水平電界方式)による広い視野角を実現する技術“Super-Advanced Super Fine TFT”を融合した半透過型×広視野角を意味する略称。半透過型液晶モジュールの課題だった透過モード時の視野角特性とコントラスト特性を大幅に改善し、半透過液晶としては現在最高水準となる水平/垂直/対角の全方向170度の広い視野角と、500:1以上となる高いコントラスト比を実現する。

photophotophoto 3.5インチQVGA表示対応の半透過型×広視野角パネル(左。比較機は2.4インチQVGA液晶搭載のP902i)。携帯もついに3インチ液晶を搭載する「SO903i」や「SH903iTV」が登場するが、さすがに4.3インチとなると本体もかなり大きくなってしまいそう(中)。半透過型ながら420カンデラ/平方メートルを実現する4インチWVGAのNew Renderingパネル(右)

 4インチWVGAのパネルはNew Renderingという技術を採用する液晶で、従来のRGB(レッド、ブルー、グリーン)にW(ホワイト)を加えた、計4つのサブピクセルを独立して制御する。少ないサブピクセル数で、より高い解像度の表示が行える特徴を持ち、RGBに加えてWの画素も加えたことにより、従来のRGB3色と比較して大幅な輝度の向上が見込めるという。また、同サイズの液晶を実際に高解像度化した場合におこる開口率の低下(輝度の低下)も発生せず、価格的なメリットもある。携帯で例えると、普段はQVGA解像度で利用するが、地図や写真アプリなどで情報を精細に表示したい場合にVGA解像度レベルで表示するといった用途に使えそうだ。

photophotophoto 4インチWVGA液晶での表示例。やはり表示できる情報量は多く、輝度・コントラスト比も高い

 SOGは液晶駆動トランジスタ(TFT)と周辺の回路を同一のガラス基板上に一体形成した、NEC液晶テクノロジー製低温ポリシリコンTFTアクティブマトリクスパネルの通称。従来のアモルファスシリコン型液晶と比較し、反応速度が速く、ドライバICなどの回路を液晶パネル上に搭載できるメリットがある。TFTが小型化できることで本体のナローベゼル化や画素の高開口化、高精細化、高輝度化が可能になる。

photo アモルファスシリコン型液晶と低温ポリシリコン型液晶(SOG)の違い。ガラス基板上に一体成形できることで小型化や搭載機の薄縁化できるメリットがあり、低温ポリシリコン(多結晶シリコン)を用いることで、高精細化や高輝度化に有利な画素の高開口率化を実現する
photophotophoto SOG液晶パネルのラインアップ(左)。2.7インチVGA表示対応の透過型液晶は、1619万色表示対応で輝度200カンデラ/平方メートル、コントラスト比400:1を実現。写真では伝えにくいが、P902iの液晶と比べると表示能力にかなり差があることが一目で分かるほど(中)。この透過型液晶は上下/左右で約160度の広い視野角を実現するのも特徴(右)
タイプ 半透過型×広視野角 New Rendering SOG
サイズ 2.55インチ(半透過型) 3.5インチ(半透過型) 4.3インチ(半透過型) 4インチ(半透過型) 2.7インチ(透過型) 2.7インチ(半透過型) 3.5インチ(透過型) 3.5インチ(半透過型) 4.1インチ
解像度 240×320ピクセル 480×272ピクセル 720×400ピクセル 480×640ピクセル 800×480ピクセル
表示色 約26万2000色 約1619万色 約1677万色
反射率 10% 15% 10% 15% 15%
輝度 300カンデラ/平方メートル 420カンデラ/平方メートル 200カンデラ/平方メートル 180カンデラ/平方メートル 250カンデラ/平方メートル 200カンデラ/平方メートル 350カンデラ/平方メートル
コントラスト比 550:1 500:1 400:1 150:1 400:1 150:1 500:1
視野角 上下/左右170度 上下/左右160度 上下65度/左右70度 上下/左右160度 上下65度/左右70度 上下/左右160度
色再現範囲 60%(NTSC比) 40% 60% 70% 40% 70% 40% 70% 100%

 これらのうち3.5インチ半透過型と2.7インチ透過型は2007年2月頃より量産を開始、そのほかも2007年4月以降めどに出荷する予定としている。ただしSOG液晶については、携帯向けとして採用される可能性も高いと想像できるが「数万台単位以上での出荷は現在見込んでいない」(説明員)とのことで、少なくとも万単位で製造される携帯には、技術ではなく出荷数の関係で難しそうという見通しだ。

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