ケータイだからできた──「MONOTONE」に見るスクエニの新しい試み「MONOTONE」プロデューサーに聞く(1/2 ページ)

» 2006年11月29日 15時28分 公開
[遠藤学,ITmedia]
photo スクウェア・エニックス プロジェクト推進部 プロデューサー 伊藤幸正氏

 スクウェア・エニックスのiモード向けパズルRPG「MONOTONE」。突如現れた魔王に「色」と「音」が奪われはじめた世界を舞台に、プレーヤーが勇者“モノ”となり、魔物を退治しながら色と音、そして人々の「希望」を復活させていく──このゲーム概要だけを聞けば、普通のRPGだと考える人も多いだろう。

 だがプロデューサーの伊藤幸正氏は、「(MONOTONEは)アイディア的な部分でさまざまな新しい仕掛けを用意している」と話す。

 “シナリオライター、デザイナー、兼、勇者。”

 ちょっと変わったキャッチコピーを持ったMONOTONEについて、詳しく話を聞いた。

カジュアルでありながら骨太なRPG

 カジュアルなRPGを目指したというMONOTONEだが、完成したものは「カジュアルでありながら、すごく正統派な、骨太なRPGになった」(伊藤氏)という。

 「ゲームは力んで作ると力んで見えてしまう。(カジュアルなものを目指すなら)肩の力を抜いて作ろうとスタートしたが、普通に作っていたら正統派のRPGになった。力んで作ったというわけではなく、開発スタッフが面白がって作る中で、ちゃんとしたプロの仕事になったということ。見た目はライトな、ポップな感じに見えるかもしれないが、『BEFORE CRISIS −FINAL FANTASY VII−』を担当したスタッフもいるので、携帯でできること、できないことを分かった上で作っている」(伊藤氏)

photophotophoto

 このゲーム画面を見れば分かる通り、家庭用ゲームでは比類なきCG映像を追求するスクウェア・エニックス(主に旧スクウェア)のタイトルとしては、確かにポップな印象を受ける。さらにMONOTONEのキャラクターデザインを担当したのが、現在の「ファイナルファンタジー」シリーズのキャラクターデザインを担当する野村哲也氏だと知れば、そのギャップはかなりのものになるだろう。

photo 主人公モノのイラスト

 伊藤氏もデザインについては次のように話している。「『DIRGE OF CERBERUS LOST EPISODE −FFVII−』(以下、LOST EPISODE)がそうであるように、野村のデザインはCG技術を使って表現することが多い。一方、MONOTONEは2Dで表現していることもあり、野村のデザインが突き抜けている。スクウェア・エニックスとしては携帯でないと許されない世界かもしれない」(伊藤氏)

 ただし、3Dでないから開発が楽かと言えば、ゲームはそれほど単純なものでもない。2Dの場合、描き込みすぎると普通になり、描き込みすぎないとチープに見えてしまうからだ。伊藤氏も「3Dでリアルに作ったほうが楽なこともある」と述べるなど、2D表現でのバランス調整に苦労した様子がうかがえた。

“携帯ならでは”の仕掛け

 見た目以外にも、MONOTONEには注目してもらいたいアイデアが詰まっているようだ。「シナリオとキャラクターデザインの募集に注目してもらいたい。これまでゲームでのネットワークの使い方といえば、対戦や協力など同時プレイにしか目がいっていなかった。しかし、つないで対戦したりパーティを組むといったことがなくても、ネットワークを生かしたRPGは作れる。ここから案が生まれた」(伊藤氏)

 ゲームに限らず、キャラクターのデザインや名前を募集することはある。それ自体は特筆すべきことではない。だがMONOTONEの場合、ただ募集をして“これが採用されました”では終わらない。どのシナリオとキャラクターデザインを採用するかはユーザー投票によって決まり、採用されたものは開発スタッフがMONOTONEの世界観に合わせてアレンジを加えるからだ。

 「元となるものはユーザーに決めてもらうが、ゲームとしてどう演出していくのかはプロ(開発スタッフ)がやる。採用されたシナリオとキャラクターは一般にも公開するので、どのように変わったかは誰でも分かる」(伊藤氏)

 作品の募集は1カ月に1回行う予定で、現在は「卒業」というお題で募集を行っている。受け付け期間は12月4日まで。「移動時間中にシナリオを書くのもMONOTONEで遊ぶことになる。学生ならノートの切れ端に書いた絵を写真に撮って投稿できる」(伊藤氏)という手軽さは、携帯ならではだろう。なお、投稿作品以外にもMONOTONEには1本筋の通ったストーリーが存在する。こちらのエピソードも順次配信していく予定だ。

(C)2006 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. CONCEPT DESIGN:TETSUYA NOMURA
       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年05月02日 更新
  1. 厚さ約19mmでデスク上の配線をスッキリ整理できる「Anker Nano Charging Station」が24%オフの5290円に (2026年04月30日)
  2. d払い、dポイントのキャンペーンまとめ【5月1日最新版】 1万〜3万ポイントの高額還元あり (2026年05月01日)
  3. 「iPhone 17e」と「iPhone 17」どちらが買いか? 2機種を使い込んで分かった“スペック表にない違い” (2026年04月29日)
  4. 中国スマホの“iPhone化”が進む理由 模倣を超えた「最適解」、乗り換え促進の「エコシステム戦略」に迫る (2026年04月30日)
  5. ソフトバンクが「今回もやる」とGalaxy S26を月額1円で販売――販売方法を早急に見直さないと撤退を迫られるメーカーも (2026年03月08日)
  6. モトローラが「razr 70」シリーズ3機種を発表 「ultra」は7型ディスプレイや次世代のLOFICセンサーカメラを搭載 (2026年04月30日)
  7. スマートウォッチ「HUAWEI Band 11 Pro」が18%オフで1万円以下 より大きくなった約1.62型ディスプレイ搭載 (2026年05月01日)
  8. ソニー本社の展示刷新、スマホ(Xperia)の扱いはどうなった? 空間から読み解く現在地とヒストリー (2026年05月01日)
  9. データ容量付き「リチャージモバイル」でモバイルWiFiルーター「SE PRO」発売 世界107カ国対応で使用可能 (2026年04月30日)
  10. Google検索の新機能で「サイトのクリック率が2倍」 好きなメディアの優先表示を可能に (2026年05月01日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2026年