ソニー本社の展示刷新、スマホ(Xperia)の扱いはどうなった? 空間から読み解く現在地とヒストリー

» 2026年05月01日 14時55分 公開
[金子麟太郎,ITmedia]
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 ソニーグループは、東京・品川にある本社ビル「ソニーシティ」の1階エントランスをリニューアルした。2006年に竣工したこのビルは、現在さまざまなグループ会社が入居する拠点となっている。ソニーが経営の軸足をクリエイションへとシフトする中、ブランドを象徴するエントランス空間にも、現在の経営方針をより色濃く反映させるべく改装を実施した。デザイン部門であるクリエイティブセンターが監修を務め、来訪者が新たな価値創造への期待を膨らませるような「感動の入り口」を目指している。

ソニー CrystalLED メインエリアに設置された高精細な大型LEDディスプレイの様子

 メインの展示エリアには、幅6メートル、高さ3.5メートルの高精細な大型LEDディスプレイ「Crystal LED」が設置された。その周囲には、ゲーム&ネットワークサービス(G&NS)、音楽、映画、エンタテインメント・テクノロジー&サービス(ET&S)、イメージング&センシング・ソリューション(I&SS)、そして2025年10月にスピンオフした金融事業に至るまで、多角的な事業の製品や作品が紹介されている。今後は定期的な展示替えやイベントと連動した企画展も予定されており、待ち時間を楽しく過ごしながら、ソニーの「今」に触れられる空間として機能していく。

ソニー CrystalLED 展示物の一覧

 待合スペース近くの壁面にある、約80年間の沿革を示すヒストリー展示も、1980年代後半以降の内容を中心にアップデートされた。創業期から1980年代までを「Where We Began」、現在の多様な事業への成長を説明する後半を「How We Have Grown」と新たに定義した。グループ売上高の6割以上を占めるエンタテインメント事業(G&NS・音楽・映画)の源流から、ヘッドフォンやカメラ、テレビ、スマートフォン、CMOSイメージセンサーの技術の進化などの歩みを包括的に把握できる。

ソニー 歴史展示 創業から現在までの歩みを網羅した壁面のヒストリー展示。「How We Have Grown」では、売上の6割を占めるエンタメ事業が創業期から結実するまでの歩みをたどれる。ET&Sの主要製品や制作支援技術、スマートフォン、I&SSのセンサー進化なども網羅。ソニーのエンタメと技術の歴史を包括的に把握できる構成だ

 さらに、入り口付近には来客を温かく迎えるべく、全長約6メートルのソニーロゴを新たに配置した。aiboなどを手掛けてきたマスターデザイナーが監修し、構造や素材、耐久性、美しさといったあらゆる観点からこだわり抜いて制作されている。2026年5月に創業80周年を迎えるにあたり、訪れる人々がソニーの軌跡と現在の姿に触れ、驚きとともに記憶に残してもらえるよう、エントランスを通じて常に最新の魅力を発信し続けるという。

ソニー 歴史展示 入り口付近のソニーロゴ

 今回のリニューアルで個人的に気になったのは、スマートフォン(Xperia)の展示だ。結論から言えば、展示そのものは存在している。しかし、入場して最初に視界に飛び込んでくるのは巨大なロゴやディスプレイ、プレイステーションであり、スマートフォンは壁側のヒストリーや特定コーナーにひっそりと配置されている印象を受ける。

 現在のソニーにとって中心的な収益源がエンタテインメント事業へとシフトし、その存在感が増している結果として、相対的にハードウェア(スマートフォンなど)が、今や多様な事業群の中の「フラットな一要素」として扱われている様子が、この空間構成から見て取れるのではないだろうか。

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