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» 2007年07月20日 21時36分 公開

ワイヤレスジャパン2007:“携帯で動画”の時代は来るのか──3キャリアが考えるモバイルコンテンツの未来 (1/2)

ワイヤレスジャパン2007と同時開催されている、コンテンツ開発&配信技術展2007の基調講演では、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイルのキーパーソンが登場してコンテンツ戦略を語った。

[園部修,ITmedia]

 国内最大級のワイヤレス業界イベント「ワイヤレスジャパン2007」に合わせて、携帯向けのコンテンツに特化した「コンテンツ開発&配信技術展2007」も開催された。こちらの基調講演では、NTTドコモ コンテンツ&カスタマ部 コンテンツ担当部長の山口善輝氏、KDDI 取締役執行役員常務 コンシューマ事業統轄本部長の高橋誠氏、そしてソフトバンクモバイル プロダクト・サービス開発本部 モバイル・メディア・コンテンツ統括部長の河野真太郎氏が登壇し、それぞれの立場から自社の携帯向けコンテンツの現状や見通しを語った。

新興コンテンツ市場を牽引する女性ユーザー

 3キャリアの登壇者は、それぞれが自社のユーザーのコンテンツ利用状況に触れたが、ドコモとソフトバンクモバイルで共通していた話題の1つが、「最近のコンテンツ市場の伸びが女性によりもたらされている」という指摘だ。

 ドコモの山口氏は、「デコメール、きせかえツール、コミック、ショッピングといった、最近非常に売上規模が大きくなっているジャンルをF1層(20〜34歳の女性)が牽引している」と話し、主役がF0層(10代女性)ではないことを明らかにした。

 「iモードが始まったころは、女性層はコンテンツに対してお金を払ってれない層だったが、最近はこういう人たちが新しい分野の市場を引っ張っている。とても頼もしいこと」(山口氏)

 なお山口氏は、まだ立ち上がったばかりのきせかえツール関連コンテンツがこうした女性のおかげで非常によく伸びており、デコメールよりも立ち上がりの勢いがいいことから、非常に将来有望なコンテンツだとの考えも示した。

 またソフトバンクモバイルの河野氏も「電子書籍やコミックは、女性ユーザーが購入する比率が高い。これらは一般的に利用されるサービスになってきた」と話した。年齢層や具体的な数値の提示はなかったものの、ドコモと傾向はそう変わらないものと思われる。

auでは着うたフルが着うたを超える

 とはいえ、携帯向けのコンテンツで、もっとも利用されているのはやはり音楽。他社に先駆けて音楽配信を手がけてきたKDDIの高橋氏は、「音楽ビジネスは各社がさまざまな手を打ってきているが、来年、再来年といろいろなプランを用意しており、他社の追随は許さない」と今後も発展させていくことを強調。音楽業界と手に手を取って、新しいビジネスを創出していきたいと話した。

 また同氏は話題の「iPhone」にも触れ、「iPhoneの場合には、基本的にPCを使ったダウンロードが前提になっている。いずれ日本市場にも入ってくると思うが、(現在の着うたフルのような)携帯電話のネットワーク経由でのダウンロードは考えていないようだ。日本市場でどういった対応をするのか興味を持っている」と話した。

 auユーザーのコンテンツ利用に関する大きなトピックとしては、着うたフルとビデオクリップの利用額が、2007年3月に着うたと着ムービーを上回ったことが挙げられる。4月にいったん着うたフルが落ち込んだものの、5月、6月はまた着うたを超えそうだという。

 今後KDDIではLISMOの利用率向上に注力する。LISMOはリスのキャラクターのイメージが強すぎて、具体的に何ができるのか、ユーザーにきちんと伝わってないとの反省点に立ち、各種の検索機能やケータイとPCとの連携機能などを訴求していく。

 ドコモでは、着メロが依然売上の大きな割合を占め、2007年4月時点で約32億円の市場規模がある。また着うたと着モーションが合わせて約25億円、対応端末が増えてきた着うたフルが10億円となっている。さらに呼び出し音を好みの音楽に変えられるメロディコールも好調で、2007年3月には1000万契約を超えた。自分で聞くことはないメロディコールは、つい更新を忘れがちだが、自動更新サービスなども導入し、契約数、情報料収入ともに堅調に伸びている。

 2キャリアに比べ対応が遅れ気味なソフトバンクモバイルでも、着うたフルの情報料は上昇傾向だ。特にソフトバンクモバイルは3G端末の普及を促進しており、コンテンツの利用は急速に増えている。着うたフルに対応した端末の累計出荷台数は、2007年5月に現在の契約数約1600万の半数にあたる800万台に達した。ジャケット写真や歌詞の表示、着信音設定などにも2007年3月から対応し、楽曲数こそまだあまり多くないものの、他社と遜色のないサービスが受けられるようになってきている。

 またソフトバンクならではの取り組みとして、気に入ったらそのままコンテンツプロバイダ(CP)のサイトに接続して楽曲が購入できる無料の音楽情報番組「タダ歌ばん」を提供していることが購入促進につながっていることや、着うたをメールに添付して友達にお勧めできる「レコメール」などを展開していることもアピールした。

ゲームはミニゲームが圧倒的人気

 メガゲーム直感ゲームなど、ドコモのゲームはより高機能になって来ている印象だが、ドコモユーザーが利用しているのは圧倒的にミニゲームが多い。ミニゲームはほかのジャンルのゲームと比べ数倍の利用があるという。直感ゲームも、対応端末が3機種しかないにもかかわらず、プロモーション効果もあって好調だ。

 そのほかのジャンルで利用者が伸びているのはロールプレイングゲームやアドベンチャー/ノベル、スポーツなど。育成ゲームやクイズ/学習系のコンテンツはやや伸び悩んでいる。

 au端末では、以前はゲームの売上が着うたよりも少なかった時期もあるが、今は着うたを超える売上があり、さらに伸びている。人気のジャンルや具体的な金額までは明らかにされなかったものの、EZ Game Street!から利用できる、1プレイ10円で楽しめるミニゲーム系が充実したことが背景にありそうだ。

 ソフトバンクモバイルは、「J-フォン時代からゲームには積極的に取り組んできた」と河野氏。アプリの大容量化(メガアプリ)をいち早く実現し、モーションコントロールセンサー(加速度センサー)で端末の動きを検出する体感系のゲームなども2005年から手がけていること、Bluetoothで通信しながら遊べる「ちかゲーム」など、他社にはない取り組みも行っていることを紹介した。

 現在メガアプリは大作系を中心に約530タイトルをそろえ、さらにAQUOSケータイで楽しめる横ワイド対応のゲームも約75タイトルあるという。またちかゲームは全65タイトルをラインアップする。また情報番組を視聴することでゲームが入手できる「タダゲーム」もタイトルが増えつつある。毎週2番組2タイトルを更新しており、6月末時点で28タイトルの無料ゲームを配信中。このタダゲームもCPの売上増につながっている。

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