インタビュー
» 2007年08月06日 11時45分 UPDATE

開発陣に聞く「SO903iTV」:手のひらに世界初の「BRAVIA」を――“BRAVIAケータイ”「SO903iTV」が生まれるまで (1/3)

ソニー・エリクソン製の「SO903iTV」は、BRAVIAブランドを冠した初の携帯電話だ。なぜ“BRAVIA”なのか、他社のワンセグケータイとの違いはどこにあるのかを開発陣に聞いた。

[平賀洋一,ITmedia]

 「SO903iTV」は、NTTドコモ向けのソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ製端末としては初のワンセグ対応モデルだ。しかも「BRAVIAケータイ」として、BRAVIAブランドの一翼を担う存在でもある。

 ワンセグ視聴を重視したSO903iTVのボディは、回転2軸スタイル。その六角形の独自フォルムと軸ずらし機構により、横向きの安定した形で設置できるのが特徴だ。搭載するメインディスプレイは3インチワイドQVGA(240×432ピクセル)液晶で、BRAVIAの技術を採用した「モバイルBRAVIAエンジン」を内蔵し、色再現性を向上させている。

 ソニー・エリクソンとして初めてテレビブランドを冠したSO903iTVについて、同社プロジェクトマネジャーの高橋氏、企画担当の西村氏、デザイナーの平野氏、ソフト開発(UI担当)の松澤氏に開発の経緯を聞いた。

photo “BRAVIAケータイ”「SO903iTV」

「開発発表」で感じた期待の大きさ

photo 左から、ソフト開発(UI担当)の松澤氏、プロジェクトマネジャーの高橋氏、企画担当の西村氏、デザイナーの平野氏

 携帯電話に、供給メーカーやグループが持つ家電ブランドを冠するケースが増えている。同じドコモのワンセグ端末にも“AQUOSケータイ”「SH903iTV」があり、またソニー・エリクソン自身もau向けに音楽ケータイとして揺るぎない地位を築いた「ウォークマンケータイ」を供給し、海外モデルにはサイバーショットブランドを冠した、カメラ機能重視の端末も存在している(3月1日の記事参照)

 これらとSO903iTVが一番違うのが、「世界初」という点だ。“AQUOSケータイ”はソフトバンクモバイルで先行していたモデルで、ウォークマンケータイとサイバーショットケータイは海外向けモデルからスタートしている(2005年3月の記事参照)。「ワンセグ」という世界ではあまり一般的ではないモバイル向けデジタル放送に対応するため、国内向けになってしまう事情はあるものの、SO903iTVが世界初のBRAVIAケータイであることの意義は大きい。

photo 企画を担当した西村氏

 「携帯電話という製品の性質上、メーカーのみで開発・製造するわけではありません。SO903iTVという世界初のBRAVIAケータイを世に出すため、ドコモと密接に共同開発を行ってきました。レベルの高い要求に応えるため、この時期(6月末)の発売となったのです」(西村氏)

 903i系の企画端末であるSO903iTVは、1月の春モデル発表会で、その存在が明らかになった(1月16日の記事参照)。当初から6月中の発売を予定していたが、BRAVIAというブランドであることに加えて、半年後の販売開始という点でさまざまな憶測が飛んだ。「開発発表」というニュアンスが強いとはいえ、この時点での公表に開発陣も驚いたという。

 「開発期間中からドコモの期待の大きさは感じていましたし、我々もその期待に応えるために努力していました。そのため、通常よりかなり早いタイミングで発表すると分かったとき、我々が手がけている“世界初のBRAVIAケータイ”がいかに大事な存在であるのか、という点を再認識しました」(西村氏)

 当然のことながら、こうした大きな期待がSO903iTVにかけられたのは、“ソニー・エリクソンのワンセグ端末”だからだ。さらに、「ワンセグを見ること」を当たり前にしたくないという、ソニーグループらしいポリシーを持っているからでもある。

「SO903iTV」が“BRAVIA”なワケ

 開発陣は、ソニー・エリクソンとしてワンセグモデルを計画するにあたり、ただワンセグ視聴機能を載せるのではなく、さらに何かをプラスすることを考えたという。西村氏は、ワンセグ搭載機が増え、携帯でテレビを見ることが当たり前になっているが、あまりワンセグの安売りをしたくないと話す。

 ただワンセグが載った携帯電話をリリースするだけなら比較的簡単にできるが、ソニエリはそうはしない。ソニー・エリクソンが最初に手がけたワンセグ端末は、au向けの「W44S」。縦方向と横方向の開閉に対応した「デュアルオープンスタイル」機構を備え、デジタルラジオにも対応するというハイエンド端末だ。そのボディデザインや高機能さからはスペシャル感があふれていた。

 「今後、ワンセグ搭載は当たり前になって、標準的な機能になるでしょう。でも、まだしばらくはワンセグを見ることが特別な時間になるはずです。SO903iTVは、上質なワンセグ視聴時間を過ごすための携帯電話として企画をスタートしました」(西村氏)

 携帯であっても、ワンセグを見るからにはテレビという存在になる。また「ソニー」というメーカーから連想するのはテレビという声も多い。ワンセグを重視する端末として、ソニーの持つBRAVIAブランドを冠することは自然な流れだったと、西村氏は振り返る。

yo_sotv18.jpgyo_sotv19.jpg ワンセグ起動時に表示されるBRAVIAロゴと、端末の起動時に表示されるSO903iTVのロゴ

 「ワンセグを重視するBRAVIAケータイとして追求したのは、映像美と機能美です。もともとBRAVIAには“感動には色がある”というコンセプトがありますが、これを携帯電話でいかに実現するか。そして、史上初の持ってる歩けるBRAVIAとして、いかに機能的な美しさを持たせるのか。この2点を追求しました」(西村氏)

 SO903iTVは、自身が映し出す映像はもちろん、ユーザーがSO903iTVを見るその姿も美しく演出する端末に仕上げた。

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